第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
電力 問26

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 電力 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、原子燃料に関する記述である。
核分裂は様々な原子核で起こるが、ウラン235などのように核分裂を起こし、連鎖反応を持続できる物質を( ア )といい、ウラン238のように中性子を吸収して( ア )になる物質を( イ )という。天然ウラン中に含まれるウラン235は約( ウ )%で、残りは核分裂を起こしにくいウラン238である。ここで、ウラン235の濃度が天然ウランの濃度を超えるものは、濃縮ウランと呼ばれており、濃縮度3%から5%程度の( エ )は原子炉の核燃料として使用される。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
  • ア:核分裂性物質  イ:親物質   ウ:1.5  エ:低濃縮ウラン
  • ア:核分裂性物質  イ:親物質   ウ:0.7  エ:低濃縮ウラン
  • ア:核分裂生成物  イ:親物質   ウ:0.7  エ:高濃縮ウラン
  • ア:核分裂生成物  イ:中間物質  ウ:0.7  エ:低濃縮ウラン
  • ア:放射性物質   イ:中間物質  ウ:1.5  エ:高濃縮ウラン

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この過去問の解説 (2件)

01

ウラン235、プルトニウム239等の核分裂を起こす物質を核分裂性物質と呼びます。

よって、[ア]「核分裂性物質」です。

他の選択肢にある、核分裂生成物とは、核分裂の過程で生成される物質の総称です。

また、放射性物質とは、放射線を放出する性質を持つ物質のことです。

核分裂性物質ではなくとも、中性子の衝突・吸収によって、

核分裂性物質になる物質があり、これを親物質と呼びます。

例えば、ウラン238は中性子の吸収によってプルトニウム239になり、

この時のウラン238が親物質です。

よって、[イ]「親物質」です。

自然界中のウランでは、ウラン235は0.7%しか含まれません。

これだと、原子力発電に運用するには含有率が低すぎることから、

発電用としてはウラン235の含有率を3%まで濃縮した、

低濃縮ウランを使用します。

よって、[ウ]「0.7%」[エ]「低濃縮ウラン」です。

以上より、[2]が正解です。

「0.7%」という数値と、「低濃縮ウラン」という単語は、

よく問われるため、覚えておきましょう。

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02

正解は2です。

自然界のウランは、主にウラン235と、ウラン258の2種類の同位体として存在していて、その割合は太陽系のどの場所のウランでも、1:137.8(0.7%:99.3%)となっています。

ウラン235は中性子が衝突すると核分裂を起こす「核分裂性物質」、ウラン258は中性子が衝突すると中性子を吸収してウラン239になる「親物質」といいます。

原子力燃料として使用されるのはウラン235で、自然界には0.7%しか存在しないため、濃度が低すぎます。

発電用では、3%程度まで濃縮し、低濃縮ウランとして使用します。

よって、 2 の「ア:核分裂性物質 イ:親物質 ウ:0.7 エ:低濃縮ウラン」が正しいです。

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