第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
電力 問24

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 電力 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、汽力発電所の復水器の機能に関する記述である。
汽力発電所の復水器は蒸気タービン内で仕事を取り出した後の( ア )蒸気を冷却して凝縮させる装置である。復水器内部の真空度を( イ )保持してタービンの( ア )圧力を( ウ )させることにより、( エ )の向上を図ることができる。なお、復水器によるエネルギー損失は熱サイクルの中で最も( オ )。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
  • ア:抽気  イ:低く  ウ:上昇  エ:熱効率  オ:大きい
  • ア:排気  イ:高く  ウ:上昇  エ:利用率  オ:小さい
  • ア:排気  イ:高く  ウ:低下  エ:熱効率  オ:大きい
  • ア:抽気  イ:高く  ウ:低下  エ:熱効率  オ:小さい
  • ア:排気  イ:低く  ウ:停止  エ:利用率  オ:大きい

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この過去問の解説 (2件)

01

汽力発電所おいて、復水器の役割は、蒸気タービン内で

仕事を取り出した後の排気蒸気を冷却し、水に戻すことです。

冷却には一般的に海水を使用します。

よって、[ア]「排気」です。

復水器で冷却された蒸気は、水に戻る際に体積が縮小します。

結果、圧力は低下し、真空度は高くなります。

よって、[イ]「高く」[ウ]「低下」です。

この時点で正解は[3]に絞られます。

復水器の真空度が高くなるほど、

タービン内における蒸気の膨張が著しくなります。

これがタービンの回転を促し、熱効率の向上に繋がります。

よって、[エ]「熱効率」です。

また、汽力発電における熱損失は、

復水器によるものが最も[オ]「大きく」なります。

以上より、[3]が正解です。

[エ][オ]は単体でみると、少し悩ませる選択肢となっています。

しかし、熱サイクルについての大まかな流れと、

仕組みを知っておけば、前半で選択肢を絞ることができます。

深い内容まで問われることは珍しいため、

このように要点を押さえておくことが重要です。

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02

正解は3です。

復水器は、蒸気タービンからの排気を冷却して凝縮させ、水に戻す機器です。

タービンの熱効率は、タービンの排気圧力を低くするほど高くなります。

よって、復水器内部を大気圧より低い真空に保持することにより、タービンの排気圧力を低下させ、熱効率を向上させます。

火力発電所の熱損失の50%は復水器によるものであり、熱サイクルの中で最も大きい損失となります。

よって、3 の「ア:排気 イ:高く ウ:低下 エ:熱効率 オ:大きい」が正解となります。

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