第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
電力 問31
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 電力 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、避雷器に関する記述である。
避雷器は、雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の( ア )がある値を超えた場合、放電により過電圧を抑制して、電気施設の絶縁を保護する装置である。
特性要素としては( イ )が広く用いられ、その( ウ )の抵抗特性により、過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ、放電後は( エ )を遮断することができる。発変電所用避雷器では、( イ )の優れた電圧−電流特性を利用し、放電耐性が大きく、放電遅れのない( オ )避雷器が主に使用されている。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
避雷器は、雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の( ア )がある値を超えた場合、放電により過電圧を抑制して、電気施設の絶縁を保護する装置である。
特性要素としては( イ )が広く用いられ、その( ウ )の抵抗特性により、過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ、放電後は( エ )を遮断することができる。発変電所用避雷器では、( イ )の優れた電圧−電流特性を利用し、放電耐性が大きく、放電遅れのない( オ )避雷器が主に使用されている。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
- ア:波頭長 イ:SF6 ウ:非線形 エ:続流 オ:直列ギャップ付き
- ア:波高値 イ:ZnO ウ:非線形 エ:続流 オ:ギャップレス
- ア:波高値 イ:SF6 ウ:線形 エ:制限電圧 オ:直列ギャップ付き
- ア:波高値 イ:ZnO ウ:線形 エ:続流 オ:直列ギャップ付き
- ア:波頭長 イ:ZnO ウ:非線形 エ:制限電圧 オ:ギャップレス
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この過去問の解説 (2件)
01
避雷器は、雷または回路の開閉などに起因する、
過電圧(開閉サージ電圧)の「波高値」がある値を超えた場合、
放電により過電圧を抑制して、電気施設の絶縁を保護する装置です。
波高値とは振幅のことです。
よって、[ア]は「波高値」です。
選択肢にある「波頭長」とは、ある波高値に達するまでの時間のことです。
避雷器の特性要素として広く用いられるのは酸化亜鉛ZnOです。
その電圧-電流特性は非線形であり、
低電圧では殆ど電流が流れない一方で、
ある電圧を超えると大電流が流れるという性質を持ちます。
よって、[イ]は「ZnO」で、[ウ]は「非線形」です。
この非線形性により、サージ電圧による電流を大地へ流した後に、
引き続き流れる電流(続流)を短時間で遮断することができ、
系統を正常な状態へ復帰させることができます。
よって、[エ]は「続流」です。
避雷器には、SiCを特性要素とするギャップ(隙間)付きの直列ギャップ付避雷器と、
ギャップの無い(ギャップレス)酸化亜鉛型避雷器の、主に2種類があります。
よって、[オ]は「ギャップレス」です。
以上より、[2]が正解です。
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02
正解は2です。
避雷器は、雷サージなどの過渡的な過電圧によるサージ電流を、接地側に流すと共に雷サージの電圧を抑制します。
過電圧の波高値がある一定値を超えた場合、放電により電気設備の絶縁を保護します。
避雷器は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする優れた非線形抵抗体の素子を用いて構成されており、放電の際は大電流を通過させ放電後は続流を遮断することができます。
端子間電圧を制限する性能が高く、直列ギャップが無くても放電後は原状に復帰する性能を持っています。
酸化亜鉛(ZnO)を用いた避雷器は、理想的な電圧-電流特性を持っており、雷が伝わってきたときだけ電流を地面に流すことができ、放電耐量が大きく放電遅れがありません。
これは、放電ギャップがない、高抵抗の素子だけの構成となっている避雷器です。このような避雷器をギャップレス避雷器といいます。
よって、2 の「ア:波高値 イ:ZnO ウ:非線形 エ:続流 オ:ギャップレス」が正解となります。
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