第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
機械 問46

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 機械 問46 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、回転界磁形三相同期発電機の無負荷誘導起電力に関する記述である。
回転磁束を担う回転子磁極の周速をv[m/s]、磁束密度の瞬時値をb[T]、磁束と直交する導体の長さをl[m]とすると、1本の導体に生じる誘導起電力e[V]は次式で表される。
問題文の画像
  • ア:2τf  イ:平均値  ウ:2.22  エ:巻線係数
  • ア:2πf  イ:最大値  ウ:4.44  エ:分布係数
  • ア:2τf  イ:平均値  ウ:4.44  エ:巻線係数
  • ア:2πf  イ:最大値  ウ:2.22  エ:短節係数
  • ア:2τf  イ:実効値  ウ:2.22  エ:巻線係数

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この過去問の解説 (2件)

01

このような公式の導出問題は、一見複雑に見えますが、

文章の順に沿って式変形すれば、公式がうろ覚えでも導出できる事があります。

問題文より、

・誘電起電力 e = vbl

・極ピッチ τ = πD/p

・磁束密度 b(T) = Bmsinωt

・周速 v = 2τf

導体1本あたりの誘電起電力の瞬時値 e(t) = Emsinωt から、

[ア]で求められているように、「Em= 」の式へ変形すると、

 Em= e / sinωt

  = vbl / sinωt

  = 2τf × bl / sinωt

  = 2τf × Bml

よって、[ア]「2τf」です。

正弦波において、平均値は(2/π)x最大値で表されます。

よって、B =(2/π) Bm平均値[イ]を表しています。

問題文より、

誘電起電力の実効値をEとするとき、Emが既知なので、

正弦波の実効値の式から

 E = Em / √2

  = 2τfBml / √2 と表せます。

また、問題文より、

1極の磁束 φ = 2/π x Bmτl と与えられていることから、

 Bm = πφ / (2τl) 

これを使うと、誘電起電力の実効値は、

 E = (π/√2) fφ

  = 2.22fφ と表せます。

ここで、電機子巻線の巻数を1増やすと、

磁界を切る導体は2本増えますので、

N本ならば2N本の導体本数と表現できます。

よって、

誘電起電力の式は

 E = 2.22fφ × 2N

  = 4.44fφN

となり、[ウ]「4.44」です。

短節巻・分布巻とは、電機子巻線の配置間隔による、

巻線の巻き方の違いのことです。

係数kwは巻線係数といいますが、

問題文から、上記のいずれかに特定してしまう、

「短節係数」、「分布係数」ではないのが明らかで、

消去法でも判断できます。

よって、[エ]「巻線係数」です。

以上より、[3]が正解です。

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02

正解は3です。

極数P 固定子内側の直径D[m]とすると極ピッチをτ[m]とすると、磁極が2τ[m]動く開いたに磁束密度は1サイクルを描くので、

磁極速度v[m/s]は v = 2τf

また、磁束密度の瞬時値b(t)[T]は最大値をBm(T)とすると、
b(t) = Bm sinωt

したがって、誘導起電力 e(t) [V] は次式で表されます。
e(t) = vbL
  = 2τf(Bmsinωt) L
  = 2τfBm Lsinωt
  = Em sinωt

この式から誘導起電力の最大値Em[V]は
Em = 2τf Bm L

磁束密度が正弦波でその最大値がBm[T]の場合、平均値B[[T]は次式のようになります。
B = 2/π ×Bm

1巻のコイル片は2つあるので、巻数がNの場合、誘導起電力 E[V]は
E = 2 Em /√2 ×N
 = 2×2.22 fφN

 = 4.44 fφN

短節巻では、全巻よりコイルの磁束鎖交数が少なくなるので、起電力がKp倍に小さくなります。
分布巻では、各導体の起電力が位相差を持つので、合成起電力がKd倍に小さくなります。
これらを統合したものが、巻線係数です。

よって、3 の「ア:2τf イ:平均値 ウ:4.44 エ:巻線係数」が正解です。

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