第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和2年度(2020年)
問61 (機械 問61)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和2年度(2020年) 問61(機械 問61) (訂正依頼・報告はこちら)

図は、ある周波数伝逹関数W(jω)のボード線図の一部であり、折れ線近似でゲイン特性を示している。次の問に答えよ。

図のゲイン特性を示す周波数伝達関数として、最も適切なものを次の選択肢の中から一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

周波数伝達関数のゲインg[dB]は下記のように表せます。

 g[dB] = 20 log10 |W(jω)|

本問では、上記公式を知らないとまず正答できません。

知ってさえすれば、

これを使って、選択肢の内容を代入するだけで正答できます。

選択肢の内容はつまり、上記公式におけるW(jω)です。

[1] W = 40/(1+jω)ならば、

 g = 20 log10 |40/(1+jω)|

 g = 20 log10 (40/√(1+ω2))

と表せます。

ここで、ゲイン特性の図より、

ω = 0の時、g = 40なので、

 g = 20 log10 (40) ≠ 40

よって、[1]は不適切です。

[2]

 g = 20 log10 |40/(1+j0.005ω)|

 g = 20 log10 (40/√(1+0.0052ω2))

ω = 0の時、g = 40なので、

 g = 20 log10 (40) ≠ 40

よって、[2]は不適切です。

[3]

 g = 20 log10 |100/(1+jω)|

 g = 20 log10 (100/√(1+ω2))

ω = 0の時、g = 40なので、

 g = 20 log10 (100) = 40

ここまでは適切です。

さらに、ゲイン特性の図より、

ω = 200の時、g = 0なので、

 g = 20 log10 (100/√(1+2002)) ≠ 0

よって、[3]は不適切です。

[4]

 g = 20 log10 (100/√(1+0.0052ω2))

ω = 0の時、g = 40なので、

 g = 20 log10 (100) = 40

さらに、ゲイン特性の図より、

ω = 200の時、g = 0なので、

 g = 20 log10 (100/√(1+0.0052x2002)) ≠ 0

よって、[4]は不適切です。

[5]

 g = 20 log10 (100/√(1+0.52ω2))

ω = 0の時、g = 40なので、

 g = 20 log10 (100) = 40

さらに、ゲイン特性の図より、

ω = 200の時、g = 0なので、

 g = 20 log10 (100/√(1+0.52x2002))

  = 20 log10 (100/√(1+10000))

  ≒ 20 log10 (100/√(10000))

  ≒ 20 log10 (100/100)

  ≒ 0

よって、[5]は適切です。

以上より、[5]が正解です。

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02

正解:【5】

この問題はボード線図と伝達関数に関する問題です。

まず、ボード線図のから次の情報が得られます。

1)DCでの利得(DCゲイン)は 40 dB です。Linear値に直しますと、利得は 100 となります。

  DCゲインは、周波数 = 0の時の利得になります。

2)遮断周波数(カットオフ周波数)は 2 rad/s です。

  周波数は遮断周波数と同じ値になりますと、利得が 0.5(−6dB)になります。ボード線図では傾きが変わるポイントとして示されます。

3)傾きは −20 dB/dec であるため、この特性は1次のローパスフィルタです。

選択肢にある式はすべて1次のローパスフィルタです。一般的な書き方しますと、次のようになります。

 DC / (1 + j*w / w_c)

ここで、DCは DCゲイン(Linear値)、w_cは遮断周波数です。

1)と2)の内容を上記の式に代入しますと、ボード線図の特性にある式は次のようになります。

 100 / (1 + j*w / 2) = 100 / (1 + j*0.5*w)

以上により、選択肢の【5】が正解となります。

※ 【1】と【2】はボード線図にある 40 という数字に対するひっかけと思われます。ボード線図の単位はdBとして表示されいてる部分に注目するのがポイントです。

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03

周波数伝達関数を導出する問題です。

 

ゲインは以下の式で求められるので、各選択肢の値を代入して計算します。

 

g=20log10∣W(jω)∣

 

そして、

 

ω=0のとき、g=40

ω=200のとき、g=0

 

以上の条件を満たす式を導出します。

選択肢1. 解答選択肢の画像

◆ω=0のとき、g=40の場合

 

g(0)=20log10∣40/(1+jω)∣

=20log10∣40/(1+j0)∣

=20log1040/√(1+02)

=20log1040

 

g(0)=40にはならないので、この選択肢は正しくありません。

選択肢2. 解答選択肢の画像

◆ω=0のとき、g=40の場合

 

g(0)=20log10∣40/(1+j0.005ω)∣

=20log10∣40/(1+j0.005✕0)∣

=20log1040/√(1+02)

=20log1040

 

g(0)=40にはならないので、この選択肢は正しくありません。

選択肢3. 解答選択肢の画像

◆ω=0のとき、g=40の場合

 

g(0)=20log10∣100/(1+jω)∣

=20log10∣100/(1+j0)∣

=20log10100/√(1+02)

=20log10100

=20✕2

=40

 

 

◆ω=200のとき、g=0の場合

 

g(200)=20log10∣100/(1+jω)∣

=20log10∣100/(1+j200)∣

=20log10100/√(1+2002)

≒20log10(100/200)

=20log10(1/2)

=-20log102

 

g(200)=0にはならないので、この選択肢は正しくありません。

選択肢4. 解答選択肢の画像

◆ω=200のとき、g=0の場合

 

g(200)=20log10∣100/(1+j0.005ω)∣

=20log10∣100/(1+j0.005✕200)∣

=20log10100/√(1+0.0052✕2002)

≒20log10(100/√2)

=20log10(100√2/2) ※分母分子に√2をかける

=20log1050√2

 

g(200)=0にはならないので、この選択肢は正しくありません。

選択肢5. 解答選択肢の画像

◆ω=200のとき、g=0の場合

 

g(200)=20log10∣100/(1+j0.5ω)∣

=20log10∣100/(1+j0.5✕200)∣

=20log10100/√(1+0.52✕2002)

=20log10100/√10001

≒20log10100/√10000

=20log10100/100

=20log101

=0

 

g(200)=0になるので、この選択肢は正しいとなります。

 

 

ω=0の場合は、j0.5ωの項が0となります。

したがって、

 

g(0)=20log10∣100/(1+jω)∣=40

 

と同じ結果を得られるため、省略しています。

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