第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
法規 問67
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 法規 問67 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく使用電圧が6600Vの交流電路の絶縁性能に関する記述である。
a)電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。電路と大地との間の絶緑性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、( ア )による危険のおそれがないものでなければならない。
b)電路は、絶縁できないことがやむを得ない部分及び機械器具等の電路を除き、次の①及び②のいずれかに適合する絶緑性能を有すること。
① ( イ )Vの交流試験電圧を電路と大地(多心ケープルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
② 電線にケーブルを使用する電路においては、( イ )Vの交流試験電圧の( ウ )倍の直流電圧を電路と大地(多心ケープルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
a)電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。電路と大地との間の絶緑性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、( ア )による危険のおそれがないものでなければならない。
b)電路は、絶縁できないことがやむを得ない部分及び機械器具等の電路を除き、次の①及び②のいずれかに適合する絶緑性能を有すること。
① ( イ )Vの交流試験電圧を電路と大地(多心ケープルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
② 電線にケーブルを使用する電路においては、( イ )Vの交流試験電圧の( ウ )倍の直流電圧を電路と大地(多心ケープルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
- ア:絶縁破壊 イ:9900 ウ:1.5
- ア:漏えい電流 イ:10350 ウ:1.5
- ア:漏えい電流 イ:8250 ウ:2
- ア:漏えい電流 イ:9900 ウ:1.25
- ア:絶縁破壊 イ:10350 ウ:2
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この過去問の解説 (2件)
01
正解:【5】
a)は「電気設備に関する技術基準を定める省令」(平成9年 省令第52号)の第五条(電路の絶縁)から引用されている内容となります。
ーーーーーー
第五条 電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
2 前項の場合にあっては、その絶縁性能は、第二十二条及び第五十八条の規定を除き、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。
3 変成器内の巻線と当該変成器内の他の巻線との間の絶縁性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。
ーーーーーー
上記により、(ア)は「絶縁破壊」となります。
なお、これは文章の内容からも推測はできます。問題文では”異常電圧を考慮”とありますので、漏れ電流ではなく絶縁破壊が関係していることが分かります。
b)は「電気設備技術基準の解釈」の第15条から引用されています。
ーーーーーー
第15条 高圧又は特別高圧の電路(第13条各号に掲げる部分、次条に規定するもの及び直流電車線を除く。)は、次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
一 15−1表に規定する試験電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
二 電線にケーブルを使用する交流の電路においては、15−1表に規定する試験電圧の2倍の直流電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
ーーーーーー
上記により、(ウ)は「2」となります。
(イ)は試験電圧の値になります。試験電圧は15−1表から定義されていますが、使うのは最大使用電圧です。
問題文にある使用電圧から最大使用電圧を第一条にある1−1表から換算できます。1−1表は次の通りです。
ーーーーーー
使用電圧の区分 | 係数
1,000V以下 | 1.15
1,000Vを超え500,000V未満 | 1.15 / 1.1
500,000V | 1.05、1.1又は1.2
1,000,000V | 1.1
ーーーーーー
上記により、最大使用電圧は次のように計算できます。
Vmax = 1.15 / 1.1 * 6600
= 6900
よって、15−1表の「7000V以下」に該当することが判明します。この場合、試験電圧は最大使用電圧の1.5倍になります。
試験電圧 = 1.5*Vmax
= 1.5*6900
= 10350[V]
以上により、選択肢の【5】が正解となります。
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02
a)は、電気設備に関する技術基準(電技)の5条1項および2項に関する記述です。
1項
「電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りではない。」
2項
「前項の場合にあっては、その絶縁性能は、第22条及び第58条の規定を除き、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない」
よって、[ア]は「絶縁破壊」です。
b)は、交流試験電圧の計算が必要です。
公称電圧6600Vは、1000Vより大きく500000V未満なので、
最大使用電圧は 6600 × 1.15/1.1 = 6900 [V] と求められます。
さらに、試験電圧は最大使用電圧が7000V以下であることから、
1.5倍し、6900 × 1.5 = 10350 [V] となります。
よって、[イ]は10350です。
また、電技解釈15条より、
「電線にケーブルを使用する交流の電路においては、15-1表に規定する試験電圧の2倍の直流電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。」
とされており、[ウ]は2です。
以上より、[5]が正解です。
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