第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)上期
法規 問13(2)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)上期 法規 問13(2) (訂正依頼・報告はこちら)

有効落差80mの調整池式水力発電所がある。調整池に取水する自然流量は10m3/s一定であるとし、図のように1日のうち12時間は発電せずに自然流量の全量を貯水する。残り12時間のうち2時間は自然流量と同じ10m3/sの使用水量で発電を行い、他の10時間は自然流量より多いQp[m3/s]の使用水量で発電して貯水分全量を使い切るものとする。このとき、次の問に答えよ。

この設問は、(前問)の続きの設問となります。

使用水量Qp[m3/s]で運転しているときの発電機出力の値[kW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、運転中の有効落差は変わらず、水車効率、発電機効率はそれぞれ90%、95%で一定とし、溢水はないものとする。
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この過去問の解説 (2件)

01

調整池式水力発電所において、ある水量で運転している時の発電機出力を求める計算問題です。

計算に必要な値や量記号は以下の通りです。

 貯水した水で発電している分の水量:Q [m3/s]

 有効貯水量:V = 432 [m3] (前問より)

 最大水量:Qp = Q + 10 [m3/s]

   ※10[m3/s]は自然流量

 貯水を使って発電している時間:10 [h]

 有効落差:h = 80 [m]

 水車効率:ηt = 90 [%]

 発電効率:ηG = 95 [%]

 発電機出力:P [kw]

選択肢2. 14700

◆貯水した水で発電している分の水量Qを求めます。

 Q = V/運転時間[s]

  = 432×103/(10×3600)

  = 12 [m3/s]

◆発電機出力Pを求めます。

発電機出力の理論式は、

 P[kw] = 9.8 × 水量[m3/s] × 有効落差[m]

  (9.8は重力加速度g)

です。

問題では、水車効率と発電効率が与えられているので、

この値を理論式に掛けることで題意の発電機出力を求めることができます。

 P = 9.8 × Qp × h × ηt × ηG

  = 9.8 × (Q+10) × h × ηt × ηG

  = 9.8 × (12+10) × 80 × 0.9 × 0.95

  ≒ 14700 [kw]

となります。

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02

(前問)より、貯水容量は432000m3です。

また、自然流量10m3/sで2時間の放水をしている間にも、同じ量の流水が貯水されることになりますので、その新たな貯水分は 

 10 × 3600 × 2 = 72000m3 となります。

元々の貯水容量分432000m3と新たな貯水分72000m3を10時間で全て放水する場合の使用流量をQpとすると、

 432000 + 72000 = Q × 3600 × 10

 Qp = 22 となります。

したがって発電機出力は

 9.8 × 80 × 22 × 0.9 × 0.95 ≒ 14700 [kW] です。

選択肢2. 14700

こちらが正解です。

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