第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)下期
電力 問20

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)下期 電力 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

図のように配電用変圧器二次側の単相3線式低圧配電線路に負荷A及び負荷Bが接続されている場合について、次の問に答えよ。ただし、変圧器は、励磁電流、内部電圧降下及び内部損失などを無視できる理想変圧器で、一次電圧は6600V、二次電圧は110/220Vで一定であるものとする。また、低圧配電線路及び中性線の電線1線当たりの抵抗は0.06Ω、負荷A及び負荷Bは純抵抗負荷とし、これら以外のインピーダンスは考慮しないものとする。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

低圧配電線路の中性線が点Fで断線した場合に負荷Aにかかる電圧の値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 88
  • 106
  • 123
  • 127
  • 138

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

単相三線式で中性線が点Fで断線した場合、負荷Aと負荷Bにかかる電圧は平衡した電圧ではなくバランスを崩した値となります。この問題はそのバランスが崩れた状態の電圧を求める問題となります。

まずは負荷A、Bの抵抗値を求めていきます。

【負荷A】‥変圧器の二次側上線から中性点の経路

・断線前の負荷Aにかかる電圧を求めます。

110[V]の電圧に電流Iaの経路と中性点で発生する電圧降下を考慮します。

・110-(120-60)×0.06=106.4[V](この電圧が負荷Aにかかります)

負荷Aの抵抗RA求めます。

・RA=106.4÷120≒0.887[Ω](電流Iaは全問より120A)

【負荷B】‥変圧器の二次側下線から中性点の経路

・断線前の負荷Bにかかる電圧を求めます。

110[V]の電圧に電流Ibの経路と中性点で発生する電圧上昇を考慮します。

※中性点の電流の向きから+となります。

・110-(180+60)×0.06=95.6[V](この電圧が負荷Aにかかります)

負荷Aの抵抗RA求めます。

・RA=95.6÷180≒0.531[Ω](電流Iaは全問より180A)

次に断線後の回路全体にかかる電流I[A]を求めます。

中性線は電線しているので無視ができるから直列回路となります。

・全体の抵抗R=0.06+0.887+0.531+0.06=1.538[Ω]

・全電流I=220÷1.538≒143[A]

最後に負荷抵抗RAかかる電圧を求めます。

・VRA=143×0.887≒127[V]

以上のようになります。

選択肢1. 88

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢2. 106

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢3. 123

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢4. 127

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

選択肢5. 138

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

まとめ

細かい計算力が試される問題となります。解くのに時間を要しますので試験の時はペース配分を気にしながら臨まれることをお薦め致します。

参考になった数2

02

不平衡負荷を接続した単相3線式において、中性線が断線した場合の負荷にかかる電圧を求める計算問題です。

問題より与えられている値と求める値は以下の通りです。

 二次側電圧:V2 = 220[V]

 電線1本の抵抗:r = 0.06[Ω]

 各線の二次電流

  Ia = 120[A]

  Ib = 180[A]

  In = 60[A]

 断線前の負荷Aにかかる電圧:VA[V]

 負荷Aの抵抗成分:RA[Ω]

 断線前の負荷Bにかかる電圧:VB[V]

 負荷Bの抵抗成分:RB[V]

 断線後の二次側電流:I0[A]

 断線後の負荷Aにかかる電圧:VA'[V]

選択肢4. 127

◆断線前の回路で負荷Aの抵抗RAを求めます。

中性線と負荷Aを含む任意の閉回路で、キルヒホッフの電圧に関する法則で式を作ります。

 V2/2 = rIa + VA − rIn

 VA = (V2/2) − rIa + rIn

  = (220/2) − 0.06×120 + 0.06×60

  = 110 − 7.2 + 3.6

  = 106.4[V]

 RA = VA/Ia

  = 106.4/120

  ≒ 0.887[Ω]

◆断線前の回路で負荷Bの抵抗RBを求めます。

負荷Aと同様に、中性線と負荷Bを含む任意の閉回路で式を作ります。

 V2/2 = rIn + VB + rIb

 VB = (V2/2) − rIn − rIb

  = (220/2) − 0.06×60 − 0.06×180

  = 110 − 3.6 − 10.8

  = 95.6[V]

 RB = VB/Ib

  = 95.6/180

  ≒ 0.531[Ω]

◆断線後の二次側電流I0を求め、負荷Aにかかる電圧VAを求めます。

 I0 = V2/(r + RA + RB + r)

  = 220/(0.06 + 0.887 + 0.531 + 0.06)

  = 220/1.538

  ≒ 143[A]

 VA' = RAI0

  = 0.887×143

  ≒ 127[A]

参考になった数1