第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
理論 問2

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 理論 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

静電界に関する次の記述のうち、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
  • 媒質中に置かれた正電荷から出る電気力線の本数は、その電荷の大きさに比例し、媒質の誘電率に反比例する。
  • 電界中における電気力線は、相互に交差しない。
  • 電界中における電気力線は、等電位面と直交する。
  • 電界中のある点の電気力線の密度は、その点における電界の強さ(大きさ)を表す。
  • 電界中に置かれた導体内部の電界の強さ(大きさ)は、その導体表面の電界の強さ(大きさ)に等しい。

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この過去問の解説 (2件)

01

電気力線や電界についての性質を問う問題です。電気力線や等電位線などの定義があいまいになりがちなので、よく復習しておきましょう。

選択肢1. 媒質中に置かれた正電荷から出る電気力線の本数は、その電荷の大きさに比例し、媒質の誘電率に反比例する。

媒質の誘電率をε、電荷の大きさ(電束)をQとすると、電気力線本数はN=Q/εで表されます。

選択肢2. 電界中における電気力線は、相互に交差しない。

電気力線は、互いに反発しようとする力が働きます。交差するということは、2つの方向に力が作用することになり、不合理です。

コンデンサの極板端部では電気力線が外側に膨らむ現象が見られますが、これがコンデンサの端効果です。

選択肢3. 電界中における電気力線は、等電位面と直交する。

等電位面とは、その名の通り電位が等しい点を結んだ面のことです。電界Eと電位Vの関係は、距離をdとすると、V=Edです。

コンデンサをイメージすると分かりやすいですが、コンデンサは極板から電気力線が垂直に出ています。極板中の電位はV=Edより、Eが一定なのでdに比例します。等電位面が極板に対して傾いていると、この式が成り立たなくなります。

選択肢4. 電界中のある点の電気力線の密度は、その点における電界の強さ(大きさ)を表す。

電気力線本数はQ/εで表されます。電荷を囲む空間の表面積Sを貫く電気力線本数は、Q/εSとなります。ここで、電荷からの距離をrとすると、電荷を囲む空間の表面積はS=4πr2であるので、これを代入するとQ/(4πεr2)となり、電界の式と一致します。

(ガウスの法則)

電荷を囲む閉局面の面積とその電界の積は、電気力線本数に等しい。

選択肢5. 電界中に置かれた導体内部の電界の強さ(大きさ)は、その導体表面の電界の強さ(大きさ)に等しい。

こちらが正答です。

導体内部の電界の大きさは常に0です。導体はどこでも電位が等しいため、電界が0でないとV=Edが成り立たなくなります。

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02

以下に解説します。

選択肢5. 電界中に置かれた導体内部の電界の強さ(大きさ)は、その導体表面の電界の強さ(大きさ)に等しい。

【誤り】

なぜなら、導体内部の電界の強さ(大きさ)は、0(ゼロ)となるからです。

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