第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)上期
問14 (理論 問14)
問題文
ただし、三相交流電源の相回転はa、b、cの順とし、電力計の電力損失は無視できるものとする。

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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 問14(理論 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
ただし、三相交流電源の相回転はa、b、cの順とし、電力計の電力損失は無視できるものとする。

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この過去問の解説 (3件)
01
題意より、下記の条件となります。
・電力計W1=490[W]
・電力計W2=-25[W] ※反転のため、マイナスです。
よって、求めるW[W]は、下記のとおりです。
W=W1+W2=465[W]
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02
電気計測分野の三相交流回路の電力の測定に用いる二電力計法に関する問題です。
二電力計法とは2つの単相電力計で三相電力を測定する方法です。
問題の条件を整理します。
・電力計W1=490W、電力計W2=25W
平衡三相負荷とあるので各相電圧は以下のような関係となります。
・Ea+Eb+Ec=0‥①
各相電圧は120°ずつ遅れます。そこから各線間電圧を表すと次のようになります。(ベクトル合成)
・Vab=Ea-Eb‥②
・Vbc=Eb-Ec‥③
・Vac=Ec-Ea‥④
ベクトル合成の結果、線間電圧Vabは相電圧Eaから30°進んでおり、相電流Iaは相電圧Eaからθ遅れる形となります。また線間電圧Vbcは相電圧Ecから30°進んでおり、相電流Icは相電圧Ecからθ進む形となります。以上からW1、W2は以下のように表します。
・W1=VabIacos(30°+θ)‥⑤
・W2=VbcIccos(30°-θ)‥⑥
以上の結果を足しわせると三相電力の測定値となります。
・W=W1+W2‥⑦
線間電圧と線電流は以下のように考えることが出来ます。
・Vab=Vbc=V
・Ia=Ic=I
以上より⑤、⑥式を次のように置き換えます。
・W1=VIcos(30°+θ)‥⑤´
・W2=VIcos(30°-θ)‥⑥´
さらに上記式を加法定理に当てはめると次のようになります。
・W1=VIcos30°・cosθ-sin30°・sinθ‥⑤´´
・W2=VIcos30°・cosθ+sin30°・sinθ‥⑥´´
そして上記の結果を⑦式に代入すると「sin30°・sinθ」の部分は打ち消され以下のように表すことができます。
・W=(VIcos30°・cosθ)+(VIcos30°・cosθ)=2VIcos30°・cosθ‥⑦´
さらに⑦´を展開していきます。
・W=2VIcos30°・cosθ=2VIcos・(√3/2)・cosθ=√3VIcosθ[W]
以上の結果より、二電力計で三相電力を測定できることが証明できました。
よって⑦式を利用して三相平衡負荷に供給する電力の値[W]を求めます。
・W=490+(-25)=465[W]
※問題文より電力計W2の電圧端子の極性を反転したとあるのでW2=-25[W]となります。
以上となります。
こちらが適切な解答となります。
問題を解くだけであれば、W=W1+W2を知っていれば簡単に求める事ができます。しかし、求める過程をマスターしておけば応用問題にも対応できるので計算過程も含めて学習される事をお薦め致します。
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03
二電力計法による三相交流回路の電力測定に関する計算問題です。
三相交流の計算問題では、ベクトル図(フェーザ)を描くことが重要です。
忘れている方は、
今一度参考書で復習しましょう。
それぞれの相に流れる電流をIa、Ib、Ic、
負荷の力率角をΦとすると、
それぞれの電力計で測定される電力P1、P2は
P1 = VacIacos(30°- Φ)
= VacIa(cos30°cosΦ + sin30°sinΦ)
= VacIa(√3/2×cosΦ + 1/2×sinΦ)
P2 = VbcIbcos(30°+ Φ)
= VbcIb(cos30°cosΦ - sin30°sinΦ)
= VbcIb(√3/2×cosΦ - 1/2×sinΦ)
よって、三相平衡のときは
Vac = Vbc = V、Ia = Ib = I が成り立つので、
P1 + P2 = √3VIcosΦ(三相分の電力)
P1 - P2 = VIsinΦ(√3倍で三相分の無効電力)
この問題の場合、
電力計W2が逆振れを起こして
電圧コイルを逆向きに接続していることから、
P1 + P2 = 490 + ( - 25 ) = 465[W]
となります。
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