第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)上期
問13 (理論 問13)
問題文

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 問13(理論 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

- 電圧増幅度は約1である。
- 入力インピーダンスが大きい。
- 出力インピーダンスが小さい。
- 緩衝増幅器として使用されることがある。
- 増幅回路内部で発生するひずみが大きい。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
コレクタ接地増幅回路に関する論説問題です。
一見するとコレクタが接地(マイナス極)されていないように見えますが、交流での等価回路では直流電圧源は短絡できるので接地されています。ベースが入力、エミッタが出力となります。
出力電圧はベース電位-ベース・エミッタ間電位(理想はベース電位)であることから、エミッタフォロワともよばれています。
入力がベース電位で、出力の理想がベース電位であることから、電圧増幅度はほぼ1となります。
ベース電位が高くなると、エミッタにベース電流の電流増幅度(数百倍)を乗じた電流が流れ込むので、エミッタ電位が高くなります。
この作用により、ベース電位が高くなると、それに伴ってエミッタ電位も高くなるので、電流が流れにくくなることから、入力インピーダンスは大きいです。
エミッタ電位が高くなると、ベース・エミッタ電位が下がります。このため、ベース電流は小さくなり、エミッタ電流も小さくなります。これによってエミッタ電位が小さくなるように作用します。
緩衝(かんしょう)増幅器とは2つの回路に置かれた増幅器であり、両回路が互いに影響しあうのを防ぐことを目的とするものです。
電圧増幅度がほぼ1であること、電流増幅度が大きいことなどから緩衝増幅器としても利用されます。
こちらが正答です。
入力電位と出力電位がほぼ等しいため、ひずみは少ないです。
参考になった数12
この解説の修正を提案する
02
この問題は電子回路分野に関する問題で誤った記述を選択する形です。
問題で問われているコレクタ接地増幅回路(エミッタフォロワ)とはバイポーラトランジスタを用いた増幅回路の1種でトランジスタのベース端子が入力で、エミッタ端子が出力となります。ちなみに問題図の回路はNPNトランジスタを用いた回路となります。
コレクタ接地増幅回路の主な特徴を以下に記します。
①ほぼ1倍の電圧利得を有する回路
②入力インピーダンスが大きい
③出力インピーダンスが小さい
④電圧増幅度が1より大きい
⑤入力電圧と出力電圧が同相である。
以上を踏まえて各選択肢を見ていきましょう。
解説の冒頭④より電圧増幅度は約1であります。
電圧増幅度を求める式は、電圧増幅度=出力電圧/入力電圧となります。
コレクタ接地増幅回路は出力電圧と入力電圧はほぼ等しいので上記式からも分かるように電圧増幅度はほぼ1となります。
よってこの記述は適切です。
解説の冒頭②入力インピーダンスが大きくなります。
求める式は入力インピーダンス=ベース電圧/ベース電流となります。
ベース電圧が大きくなるとエミッタ電圧も大きくなりベース電流が増えないようにする動きとなります。その結果入力インピーダンスが大きくなります。
なのでこの記述は適切です。
解説の冒頭③より出力インピーダンスは小さくなります。
求める式は出力インピーダンス=エミッタ電圧/エミッタ電流となっており、エミッタ電流が小さくなることでエミッタ電圧も小さくなります。よって出力インピーダンスも小さくなります。
なのでこの記述は適切です。
緩衝増幅器は主に送信器として用いられてます。入力インピーダンスが小さいので増幅器に大電流が流入する恐れがあるので入力インピーダンスが大きいコレクタ接地増幅回路が採用されています。
よってこの記述は適切です。
解説の冒頭⑤より入力電圧と出力電圧が同相であるためひずみが少なくなります。また低インピーダンスの負荷を駆動するためコレクタ接地増幅回路はオーディオアンプなどに用いられます。よってこの記述は誤りです。
この問題は若干専門的な問題といえますが、トランジスタに関する問題は過去にも多く出題されていますので繰り返しの学習をお薦め致します。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
03
以下に解説します。
【誤り】
なぜならば、入力電圧により出力電圧が変化するため、回路内部で発生するひずみは小さいからです。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問12)へ
令和5年度(2023年)上期 問題一覧
次の問題(問14)へ