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第三種電気主任技術者の過去問 令和5年度(2023年)上期 理論 問20

問題

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図のように、極板間の厚さd[m]、表面積S[m2]の平行板コンデンサAとBがある。コンデンサAの内部は、比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され、極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。コンデンサBの内部は、比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。コンデンサAの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれEA1、EA2、EA3、コンデンサBの各誘電体内部の電界の強さをそれぞれEB1、EB2、EB3とし、端効果、初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。また、真空の誘電率をε0[F/m]とする。両コンデンサの上側の極板に電圧V[V]の直流電源を接続し、下側の極板を接地した。次の問に答えよ。

コンデンサA全体の蓄積エネルギーは、コンデンサB全体の蓄積エネルギーの何倍か、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
   1 .
0.72
   2 .
0.83
   3 .
1
   4 .
1.2
   5 .
1.38
( 第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 理論 問20 )
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この過去問の解説 (2件)

0

平行板コンデンサA、Bそれぞれの蓄積エネルギー(静電エネルギー)を求めて

比較する計算問題となります。

 

問題文よりコンデンサA、Bの特徴は次のようになります。

【コンデンサA】‥比誘電率と厚さが異なる3種類の誘電体で構成され、極板と各誘電体の水平方向の断面積は同一である。

【コンデンサB】‥比誘電率と水平方向の断面積が異なる3種類の誘電体で構成されている。

以上のようになります。

 

この問題のポイントは、

コンデンサAは3種類の誘電体が直列接続

コンデンサBは3種類の誘電体が並列接続となっている所であり、

それによって静電容量の値が変化する所です。

 

最終的に比較する材料となる静電エネルギーを求める公式は以下となります。

 

・静電エネルギーW[J]=1/2×Q×V=1/2×C×V2=Q2/2×C

 Q:電荷[C]、C:静電容量[F]、V:電圧[V]

 

よって問題を解く手順として、

まずはそれぞれのコンデンサの合成静電容量を求める必要があり、

静電容量を求める公式は次のようになります。

 

・静電容量C[F]=εS/d

 ε:誘電率[F/m]、S:極板の面積[㎡]、d:極板間距離[m]

 

まずはコンデンサAの情報を整理していきます。

静電容量は上からCA1、CA2、CA3、と置き、

誘電率は2ε0、3ε0、6ε0

極板間距離はd/6、d/3、d/2となります。

以上より各静電容量は以下となります。

 

・CA1=2ε0S/d/6=12ε0S/d[F]

・CA2=3ε0S/d/3=9ε0S/d[F]

・CA3=6ε0S/d/2=12ε0S/d[F]

 

これらを元にコンデンサAの合成静電容量を求めていきます。

コンデンサAは、

直列接続になるので静電容量の逆数の和の逆数が合成静電容量となります

合成静電容量をCと置きます。

・C=1/(1/12ε0S/d+1/9ε0S/d+12ε0S/d)=1/10d/36ε0S=36ε0S/10d

   =18ε0S/5d[F]

 

次にコンデンサBの情報を整理していきます。

静電容量は左からCB1、CB2、CB3、と置き、

誘電率は2ε0、3ε0、6ε0

極板の面積はS/6、S/3、S/2となります。

以上より各静電容量は以下となります。

・CB1=2ε0S/6/d=ε0S/3d[F]‥(1/3)

・CB2=3ε0S/3/d=ε0S/d[F]‥(1)

・CB3=6ε0S/2/d=3ε0S/d[F]‥(3)

 

これらを元にコンデンサBの合成静電容量を求めていきます。

コンデンサBは並列接続になるので静電容量の総和が合成静電容量となります

合成静電容量をCと置きます。

・C=ε0S/d×(1/3+1+3)=13ε0S/3d[F]

 

コンデンサA、Bの静電エネルギを上記の公式を用いて求めていきます。

・W=1/2×C×V2=1/2×18ε0S/5d×V2[J]

・W=1/2×C×V2=1/2×13ε0S/3d×V2[J]

 

上記式より、コンデンサの値以外は共通なので、

静電エネルギー値を比較する際は合成静電容量だけを考慮する事ができます。

よってコンデンサBに対するコンデンサAのエネルギー比は以下となります。

・W/W=(18ε0S/5d)/(13ε0S/3d)=54/65≒0.83

 

以上のようになります。

選択肢2. 0.83

上記解説の値と一致するので適切です。

まとめ

コンデンサの直並列回路の合成抵抗の考え方は、抵抗の直並列回路と逆になります。

付箋メモを残すことが出来ます。
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コンデンサの静電エネルギーに関する計算問題です。

 

前問と同様に、それぞれの誘電体をもつコンデンサの合成静電容量を計算し、静電エネルギーの公式W=CV2/2[J]を適用します。

 

コンデンサAのそれぞれの静電容量

CA1、CA2、CA3は前問より

CA1 = 12ε0S/d

CA2 = 9ε0S/d

CA3 = 12ε0S/d

 

コンデンサBのそれぞれの静電容量

CB1、CB2、CB3は、静電容量の公式より

CB1 = (2ε0×S/6)/d = ε0S/3d

CB2 = (3ε0×S/3)/d = ε0S/d

CB3 = (6ε0×S/2)/d = 3ε0S/d

 

コンデンサAの静電容量は、

CA1、CA2、CA3が直列接続されているので、

CA = 1 / (1/CA1+1/CA2+1/CA3

 = 1 / (1/CA1+4/3CA1+1/CA1

 = 3CA1 / (3+4+3) 

 = 3CA1 /10 

 = 18ε0S/5d

 

コンデンサBの静電容量は、

CB1、CB2、CB3が並列接続されているので、

CB = CB1+CB2+C

  = (1/3+1+3)ε0S/d 

 = 13ε0S/3d

 

コンデンサに蓄えられる静電エネルギーは公式より

WA = CAV2 / 2 = 9(ε0S/d)2 / 5

WB = CBV2 / 2 = 13(ε0S/d)2 / 6

 

エネルギー比は WA/WB = (9/5) / (13/6) = 0.83077→0.83となります。

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