第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
電力 問10

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 電力 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

地中送電線路の線路定数に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
  • 架空送電線路の場合と同様、一般に、導体抵抗、インダクタンス、静電容量を考える。
  • 交流の場合の導体の実効抵抗は、表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。
  • 導体抵抗は、温度上昇とともに大きくなる。
  • インダクタンスは、架空送電線路に比べて小さい。
  • 静電容量は、架空送電線路に比べてかなり大きい。

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この過去問の解説 (3件)

01

送電線路の線路定数には、抵抗、インダクタンス、静電容量、漏れコンダクタンスを考慮します。中でも、短距離送電線路では計算が簡単な集中定数回路(抵抗、インダクタンスのみを考慮)を使います。

選択肢1. 架空送電線路の場合と同様、一般に、導体抵抗、インダクタンス、静電容量を考える。

正しい記述です。

選択肢2. 交流の場合の導体の実効抵抗は、表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。

誤りです。

表皮効果は電流が電線の中心を流れにくい現象、近接効果は2本の平行な電線に電流を流すとき、電線の中でも偏った部分にのみ電流が流れる現象です。

どちらも導体の等価断面積が小さくなるので、抵抗値は高くなります。

選択肢3. 導体抵抗は、温度上昇とともに大きくなる。

正しい記述です。

選択肢4. インダクタンスは、架空送電線路に比べて小さい。

インダクタンスは相間距離が大きくなるほど大きくなります。

選択肢5. 静電容量は、架空送電線路に比べてかなり大きい。

電線と大地との距離が非常に近いため、静電容量も大きくなります。

参考になった数2

02

線路定数とは、導体抵抗、インダクタンス、静電容量、漏れコンダクタンスを言います。

今回の問題は架空送電線路ではなく、地中送電線路の線路定数に関する問題となります。

各選択肢を見ていきます。

選択肢1. 架空送電線路の場合と同様、一般に、導体抵抗、インダクタンス、静電容量を考える。

選択肢の記述通り、架空送電線路の場合と同様になります。なのでこの記述は適切です。

選択肢2. 交流の場合の導体の実効抵抗は、表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。

導体の表皮効果とは、電線に交流が流れると電線の中心で電流が流れにくくなり、導体の断面積が減少し電線の抵抗が大きくなることを言います。周波数の影響を受ける為、交流の方が実効抵抗は大きくなります。なのでこの記述は不適切です。

選択肢3. 導体抵抗は、温度上昇とともに大きくなる。

導体は熱を持ち、表面温度が上昇すると抵抗値が大きくなり、流せる電流が少なくなります。なのでこの記述は適切です。

選択肢4. インダクタンスは、架空送電線路に比べて小さい。

地中送電線路は管内にケーブルで敷設される事がほとんどなので、3線が密着した状態となる為、線間距離が小さい為、インダクタンスは、架空送電線路に比べて小さいです。なのでこの記述は適切です。

選択肢5. 静電容量は、架空送電線路に比べてかなり大きい。

地中送電線路は架空送電線路に比べて大地に近いところで設置されるので静電容量はかなり大きくなります。なのでこの記述は適切です。

まとめ

地中送電線路に関する問題は毎回、1問は出題されております。計算問題はなく、ほぼ知識問題となりますので、過去問を繰り返し問いて学んでいきましょう。

参考になった数1

03

以下に解説します。

選択肢2. 交流の場合の導体の実効抵抗は、表皮効果及び近接効果のため直流に比べて小さくなる。

【誤り】

直流に比べて小さくなる旨の記載がありますが、小さくなりません。

参考になった数1