第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
電力 問12

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 電力 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

こう長2kmの三相3線式配電線路が、遅れ力率85%の平衡三相負荷に電力を供給している。負荷の端子電圧を6.6kVに保ったまま、線路の電圧降下率が5.0%を超えないようにするための負荷電力[kW]の最大値として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、1km1線当たりの抵抗は0.45Ω、リアクタンスは0.25Ωとし、その他の条件は無いものとする。なお、本問では送電端電圧と受電端電圧との相差角が小さいとして得られる近似式を用いて解答すること。
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この過去問の解説 (2件)

01

三相3線式配電線路の負荷電力[kW]の最大値を求める計算問題となります。

ポイントは問題で与えられている数値や条件が多いので、

正確に整理をして公式に当てはめる事ができるかになります。

まずは負荷電力[kW]を求める公式は以下のようになります。

 

・負荷電力W=√3×V×I×COSθ[W]‥①

 

ここで問題文の条件の中に[負荷の端子電圧を6.6kVに保ったまま]とあるので①式の電圧Vは6.6kVとなり、さらに[遅れ力率85%]とあるのでCOSθ=0.85となります。電流Iに関しては与えられていないので求めていく必要があります。

この問題の条件で電流I[A]を求めるには電圧降下の近似式を用いる必要があります。その公式は以下となります。

 

・電圧降下v=√3×I×(Rcosθ+Xsinθ)[V]‥②

 

[線路の電圧降下率が5.0%を超えないように]と問題文にあるので電圧降下[V]の上限値は次のようになります。

・電圧降下v=6.6×103×0.05=330[V]

 

次に抵抗R[Ω]、リアクタンスX[Ω]、sinθを求めていきます。問題の条件よりこう長2km、1km1線当たりの抵抗は0.45Ω、リアクタンスは0.25Ωとあるのでこれを考慮した値は次のようになります。

 ・R=0.45×2=0.9[Ω]

 ・X=0.25×2=0.5[Ω]

 ・sinθ=√12-0.852≒0.527

上記で求めた数値を②式に代入します。

・330=√3×I×(0.9×0.85+0.5×0.527)

上記式より負荷電流I[A]を求めます。

・負荷電流I=330/1.781≒185.2[A]

 

最後に負荷電流I=185.2[A]を①式に代入します。

・負荷電力W=√3×6.6×103×185.2×0.85≒1799×103[W]

よって負荷電力の最大値は1799[kW]となります。

選択肢2. 1799

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

まとめ

公式を覚えた上で、応用的に式を変形する問題が多いのが電験3種試験の特徴です。なので公式を丸暗記するだけではなく、色々な形に対応ができるよう様々な問題にチャレンジする事をお薦め致します。

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02

まず、線電流を求めていきます。

電圧降下は、V=√3×I×(Rcosθ+Xsinθ)で表せます。

各々の数値を代入すると、

6600×0.05=√3×I×(2×0.45×0.85+2×0.25×√(1-0.852))

I=185[A]

 

これにより、負荷電力Pを求めることができます。

P=√3VI

  =√3×6600×185×0.85

  =1799[kW]

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