第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
電力 問13

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 電力 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

一次側定格電圧と二次側定格電圧がそれぞれ等しい変圧器Aと変圧器Bがある。変圧器Aは、定格容量SA=5000kV・A、パーセントインピーダンス%ZA=9.0%(自己容量ベース)、変圧器Bは、定格容量SB=1500kV・A、パーセントインピーダンス%ZB=7.5%(自己容量ベース)である。この変圧器2台を並行運転し、6000kV・Aの負荷に供給する場合、過負荷となる変圧器とその変圧器の過負荷運転状態[%](当該変圧器が負担する負荷の大きさをその定格容量に対する百分率で表した値)の組合せとして、正しいものを次のうちから一つ選べ。
  • 過負荷となる変圧器:変圧器A  過負荷運転状態[%]:101.5
  • 過負荷となる変圧器:変圧器B  過負荷運転状態[%]:105.9
  • 過負荷となる変圧器:変圧器A  過負荷運転状態[%]:118.2
  • 過負荷となる変圧器:変圧器B  過負荷運転状態[%]:137.5
  • 過負荷となる変圧器:変圧器A  過負荷運転状態[%]:173.5

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この過去問の解説 (2件)

01

まず、%ZBを5000kV・A基準に変換します。

変換後を%ZB‘とすると、下記のとおりです。

%ZB‘=%ZB×SA/SB

        =7.5×5000/1500=25%

 

次に、全体負荷P、変圧器Aの負荷分担PA、変圧器Bの負荷分担PBとします。

PA=P×%ZB‘/(%ZA+ZB‘)=25/34×6000=4412

PB=P-PA=1588

 

よって、割合は、下記のとおりです。

1588/1500=1.059  →105.9%

選択肢2. 過負荷となる変圧器:変圧器B  過負荷運転状態[%]:105.9

こちらが正解です。

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02

容量の違う変圧器2台を平行運転した時の供給負荷6000kV・Aに対する過負荷となる変圧器とその変圧器の過負荷率を計算で求めていく問題です。

 

 まずは、問題文の情報を整理していきます。

 

【変圧器A】‥定格容量SA=5000kV・A、

パーセントインピーダンス%ZA=9.0%(自己容量ベース)

 【変圧器B】‥定格容量SB=1500kV・A  

パーセントインピーダンス%ZB=7.5%(自己容量ベース)

 【負荷容量】‥6000kV・A

 

 供給負荷6000kV・Aを変圧器A、B、2台で負荷分担したそれぞれの容量を求めていきます。

 容量の違う変圧器を平行運転する場合は基準容量をどちらかの変圧器に合わせたうえ、パーセントインピーダンスを算出します。今回は変圧器Aの定格容量SA=5000kV・Aを基準に変圧器Bのパーセントインピーダンスを換算します。

 

・%ZB=%ZB×SA/SB=7.5×5000/1500

    =25[%]

上記のパーセントインピーダンスを元に、変圧器A、Bの負荷分担した容量を求めます。

 

・変圧器Aの負荷容量=(%ZB‘/%ZA+%ZB‘)×6000=(25/9+25)×6000≒4411.7kV・A

・変圧器Bの負荷容量=(%ZA/%ZA+%ZB‘)×6000=(9/9+25)×6000≒1588.2kV・A

 

最後にそれぞれの変圧器の過負荷運転状態[%]を求めます。公式は以下の通りです。

 

【過負荷運転状態[%]=負荷容量/定格容量×100

 

・変圧器Aの過負荷運転状態[%]

 =4411.7/5000×100≒88.2[%]

・変圧器Bの過負荷運転状態[%]

 =1588.2/1500×100≒105.9[%]

 

以上の結果より、過負荷運転状態が100[%]を超えている変圧器Bが過負荷となる変圧器になります。

選択肢2. 過負荷となる変圧器:変圧器B  過負荷運転状態[%]:105.9

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

まとめ

パーセントインピーダンスの基準容量換算に関する問題は電力科目だけではなく、機械科目でも出題されています。それほど難解な問題は出題されていない印象で貴重な得点源になりうる問題ですので、繰り返しの学習をお薦め致します。

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