第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)上期
問42 (電力 問20)
問題文
三相3線式高圧配電線の電圧降下について、次の問に答えよ。図のように、送電端S点から三相3線式高圧配電線でA点、B点及びC点の負荷に電力を供給している。S点の線間電圧は6600Vであり、配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3Ω/kmとする。
この設問は、前問(リンク)の続きの設問となります。
A−Bにおける電圧降下率の値[%]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。

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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和5年度(2023年)上期 問42(電力 問20) (訂正依頼・報告はこちら)
三相3線式高圧配電線の電圧降下について、次の問に答えよ。図のように、送電端S点から三相3線式高圧配電線でA点、B点及びC点の負荷に電力を供給している。S点の線間電圧は6600Vであり、配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3Ω/kmとする。
この設問は、前問(リンク)の続きの設問となります。
A−Bにおける電圧降下率の値[%]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。

- 4.9
- 5.1
- 5.3
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この過去問の解説 (3件)
01
前問からの引き続きとなります。
A−Bにおける電圧降下率の値を求めるに当たって、点Aと点Bの電圧を求めていく必要があります。
【点Aの条件】‥S-A間距離=2㎞、
配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンス=0.3Ω/km
S点の電圧=6600V
ISA=420+j200≒465[A](前問で求めた値)
点Aの電圧を求めるにあたって、まずはS-A間の電圧降下VSAを三相三線式の電圧降下の近似式を用いて求めます。
・VSA=√3×I×(Rcosθ+Xsinθ)[V]‥①
①式に代入するにあたり、未知数の抵抗R、リアクタンスX、cosθ、sinθを求めていきます。
・R=2㎞×0.3Ω/km=0.6[Ω]
・X=2㎞×0.3Ω/km=0.6[Ω]
・cosθ=420/465≒0.90
・sinθ=200/465≒0.43
上記で求めた値を①式に代入します。
・VSA=√3×465×(0.6×0.9+0.6×0.43)≒642.7[V]
次にVAの電圧を求めます。
・VA=VSA-VS=6600-642.7=5957.3[V]
続いて点Bの電圧を求めていきます。
【点Bの条件】‥A-B間距離=4㎞
配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンス=0.3Ω/km
IB=100[A]
cosθ=0.6
sinθ=0.8
未知数の抵抗R、リアクタンスXを求めていきます。
・R=4㎞×0.3Ω/km=1.2[Ω]
・X=4㎞×0.3Ω/km=1.2[Ω]
上記で求めた値を①式に代入します。
・VAB=√3×100×(1.2×0.6+1.2×0.8)≒290.98[V]
次にVBの電圧を求めます。
・VB=VA-VAB=5957.3-290.98=5666.32[V]
最後にA−B間の電圧降下率を求めます。
・電圧降下率=VAB/VB×100=290.98/5666.32×100≒5.1[%]
以上のようになります。
解説の冒頭の内容の数値と一致するので適切です。
答えを導くまでの計算過程が長いので、途中で誤りがないよう確認しながら問いていきましょう。
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02
まず、点Aでの電圧VAを求めます。
・VA=6600-√3(0.6×420+0.6×200)=5956
次に、AB間の電圧降下VABを求めます。
・VAB=√3(1.2×60+1.2×80)=291
次に、点Bでの電圧VBを求めます。
・VB=VA-VAB=5665
よって、電圧降下率は下記のとおりです。
・電圧降下率=VAB/VB×100=291/5665×100=5.145→5.1[%]
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03
算数高圧配電線における任意区間の電圧降下率を求める計算問題です。
◆S-A間の抵抗RSAとリアクタンスXSAを求めます
RSA=0.3✕2=0.6[Ω]
XSA=0.3✕2=0.6[Ω]
◆ISの力率cosθSと無効力率sinθSを求めます
※ISの大きさは、前問より引用
cosθS=420/465.2≒0.9028
sinθS=200/465.2≒0.4299
◆電圧降下εSAを求めます
電圧降下の近似式から
εSA=√3IS(RSAcosθS+XSAsinθS)
=√3✕465.2✕(0.6✕0.9028+0.6✕0.4299)
=√3✕465.2✕(0.54168+0.25794)
=√3✕465.2✕0.79962
≒644.3[V]
◆A-B間の抵抗RABとリアクタンスXABを求めます
RAB=0.3✕4=1.2[Ω]
XAB=0.3✕4=1.2[Ω]
◆電圧降下εABを求めます
電圧降下の近似式から
εAB=√3IB(RABcosθB+XABsinθB) ※力率と無効力率は前問より引用
=√3✕100✕(1.2✕0.6+1.2✕0.8)
=√3✕100✕(0.72+0.96)
=√3✕465.2✕1.68
≒291.0[V]
◆A点での電圧VAを求めます
VA=VS-εSA
=6600-644.3
≒5956[V]
◆A-B間の電圧降下率%εABを求めます
%εAB={εAB/VA-εAB)}✕100
={291.0/5956-291.0)}✕100
≒5.14[%]
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