第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
機械 問5
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 機械 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
三相同期発電機の短絡比に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
- 短絡比を小さくすると、発電機の外形寸法が小さくなる。
- 短絡比を小さくすると、発電機の安定度が悪くなる。
- 短絡比を小さくすると、電圧変動率が小さくなる。
- 短絡比が小さい発電機は、銅機械と呼ばれる。
- 短絡比が小さい発電機は、同期インピーダンスが大きい。
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この過去問の解説 (2件)
01
三相同期発電機の短絡比に関する知識問題となります。
短絡比とは三相同期発電機を短絡させた時に、定格電流の何倍の電機子電流が流れたかを表す割合となります。
短絡比は無負荷飽和曲線と三相短絡曲線によって求める事が出来、以下のような関係性があります。
・短絡比K=If0/Ifs‥①
※If0:無負荷で定格電圧Vnを発生するのに必要な励磁電流[A]
※Ifs:三相定格電流Iを流すのに必要な励磁電流[A]
また、短絡比と同期インピーダンスZs[p.u]の関係性は次のようになります。
・短絡比K=1/Zs‥②
上記②式より短絡比は同期インピーダンスに反比例していることが分かります。
以上の事を踏まえた上で、各選択肢を見ていきましょう。
冒頭の②式より、短絡比を小さくすると同期インピーダンスは大きくなります。
同期インピーダンスが大きい発電機は銅機械となり、電機子巻線に使用する銅の量の多いものを言います。銅機械となれば、鉄心が小さくなり外形寸法は小さくする事ができます。
なのでこの記述は適切です。
短絡比を小さくすると、同期インピーダンスが大きくなるので発電機の安定度は悪くなります。
対策として、はずみ車効果を大きくするや制動巻線を設けるなどがあります。
なのでこの記述は適切です。
短絡比を小さくすると、同期インピーダンスが大きくなるので電圧変動率は大きくなります。
同期インピーダンスZs[p.u]=V/√3×Isという関係性からも伺えます。
なのでこの記述は不適切です。
短絡比が小さい発電機は、同期インピーダンスが大きいので銅機械と呼ばれています。
逆に短絡比が大きい発電機は同期インピーダンスが小さくなるので鉄機械と呼ばれています。
鉄機械は界磁を作る鉄心の割合が多い物を言い、外径寸法が大きくなり、重量は重くなります。
なのでこの記述は適切です。
冒頭の②式からも、短絡比を小さくすると同期インピーダンスは大きくなりますのでこの記述は適切です。
三相同期発電機の短絡比に関する問題は頻繁に出題されていますので、過去問を繰り返し問いて特性を理解できるようになりましょう。また、公式からその特性を導く事も出来るので、問題を丸暗記するだけではなく、公式の理屈も理解することもお薦め致します。
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02
以下に解説します。
【誤り】
なぜならば、短絡比を小さくすると、電圧変動率が大きくなるからです。
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