第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)上期
問62 (機械 問20)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 問62(機械 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

熱伝導について、次の問に答えよ。
断面積が2m2、厚さが30cm、熱伝導率が1.6W/(m・K)の両表面間に温度差がある壁がある。ただし、熱流は厚さ方向のみの一次元とする。

 

この設問は、<前問>の続きの設問となります。


この壁の低温側の温度t2が20℃のとき、この壁の熱流Φが100Wであった。このとき、この壁の高温側の温度t1の値[℃]に最も近いものを次のうちから一つ選べ。

  • 21
  • 22.1
  • 24.2
  • 29.4
  • 46.7

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

前問からの引き続きの問題となります。

 

まず熱流Φは電気回路で言うところの電流Iに該当します。さらに温度差T[K:ケルビン]は電位差V[V]に該当します。なので求める公式も、オームの法則V=IRと類似している以下のような式となります。

・温度差T[K]=熱流Φ×熱抵抗R‥①

 

今回の問題では高温側の温度t1の値[℃]を求めなければならないので、まずは温度差T[K]の方から求めていきたいと思います。

問題の条件より、熱流Φ=100W、前問より熱抵抗R=0.0938K/Wを上記①式に代入します。

・T=100×0.0938=9.38[K]

 

続いて温度差は以下のようにも表せます。

・温度差T=高温側の温度t1低温側の温度t2

問題文の中に低温側の温度t2=20℃が与えられているので、高温側の温度t1は以下のようになります。

高温側の温度t1=20+9.38=29.38≒29.4[℃]

以上となります。

選択肢4. 29.4

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

まとめ

今回の問題でも熱回路と電気回路が密接な関係にあることが、お分かり頂けたと思いますので改めてオームの法則の再確認と思って学習して頂ければ幸いです。

参考になった数3

02

物体の高温側の温度を求める計算問題です。

 

計算に必要な値や量記号は以下の通りです。

 

低温側の温度t2:20[℃]

熱流Φ:100[W]

熱抵抗R:0.0938[K/W] ※前問より引用

 

高温側の温度:t1[℃]

選択肢4. 29.4

熱力学のオームの法則より

 

Φ=(t1−t2)/R

(t1−t2)=ΦR

t1=ΦR+t2

=100✕0.0938+20

=29.38

≒29.4[℃]

 

【別解】

この問題は、単位からも求めることができる問題です。

単位から求める時にポイントとなるのが、

摂氏[℃]と華氏[K]はゼロになる基準が違うだけである

ΦRで求められる温度が温度差であることに気付けるか

の2点です。

 

この問題では0[℃]も0[K]も問われていないので、同じ単位として考えることができます。

これを踏まえて、単位に着目して整理してみましょう。

 

ΦR[W·K/W]=t1−t2[℃]

ΦR[W·K/W]=t1−t2[℃]

 

この式を移行することで、先に求めた値と同じ値を求めることができます。

参考になった数0