第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)上期
問77 (法規 問13)
問題文
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
変圧器に施された、接地抵抗RBの抵抗値について「電気設備技術基準の解釈」で許容されている上限の抵抗値[Ω]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。

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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 問77(法規 問13) (訂正依頼・報告はこちら)
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
変圧器に施された、接地抵抗RBの抵抗値について「電気設備技術基準の解釈」で許容されている上限の抵抗値[Ω]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。

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この過去問の解説 (2件)
01
接地抵抗RBの抵抗値はB種接地工事となります。B種接地工事は高圧又は特別高圧電路が混触する変圧器などで混触事故が発生した際に低圧側電路の電位上昇が対地電圧150Vを超えないように低く抑える目的で設置されています。
B種接地の定義は次のようになります。
・RB=150/Ig[Ω]‥①
Ig:1線地絡電流[A]
仮に電位上昇が対地電圧150Vを超えた場合で、高圧電路を遮断する装置が1秒から2秒の間で遮断する場合は抵抗値は緩和され次のように求める事ができます。
・RB=300/Ig[Ω]‥②
さらに電位上昇が対地電圧150Vを超えた場合で、高圧電路を遮断する装置が1秒以内で遮断する場合も抵抗値は緩和され次のように求める事ができます。
・RB=600/Ig[Ω]‥③
今回の問題の条件で該当するのは公式②となるので、こちらを利用して接地抵抗RBの値を求めていきます。
・RB=300/5=60[Ω]
※条件、Ig=5[A]、対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断
以上のようになります。
こちらが適切な解答となります。
B種接地工事に関する問題は頻出していますので、必ず覚える事をお薦め致します。試験を合格するという意味でもまずは数値から暗記していけば、解ける問題が増えていくかと思います。
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02
この問題を解くポイントは、遮断時間に基づいて正しい接地抵抗値の基準(係数)を選び、公式を使って計算することです。
それでは問題を見ていきましょう。
使用する公式は接地抵抗値です。
「接地抵抗値RB= k÷ Ig」
◎条件の整理をします。
・高圧電路の1線地絡電流:Ig = 5 A
・低圧電路の線間電圧:200 V
・対地静電容量:C = 0.1 μF
・遮断時間:混触時に低圧電路の対地電圧が150 Vを超える場合、1.3秒で遮断されます。
◎電気設備技術基準の解釈」に基づき、遮断時間に応じた接地抵抗値の基準が定められています。
①遮断時間が1秒以下の場合:係数(k)は600
②遮断時間が1秒超~2秒以下の場合:係数(k)は300 ←与えられた条件から今回はこちらの係数を使用します。
③遮断時間が2秒超の場合:係数(k)は150
◎公式に代入して計算します。
RB= 300 ÷ 5
RB= 60 [Ω]
計算結果から、接地抵抗値RBの上限は60Ωです。
遮断時間1.3秒に対応する係数300を使用し、公式RB = k ÷ Ig を使用することで答えを導きました。
一言知識
接地抵抗とは?
接地抵抗は電流が地面を通るときの抵抗値を示します。低いほど電流が流れやすく、漏電時に安全を確保できます。
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