第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)上期
問78 (法規 問14)
問題文
図は三相3線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量をCとし接地抵抗をRBとする。
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
接地抵抗RBの抵抗値を10Ωとしたときに、RBに常時流れる電流IBの値[mA]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
接地抵抗RBの抵抗値を10Ωとしたときに、RBに常時流れる電流IBの値[mA]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、記載以外のインピーダンスは無視するものとする。

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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 問78(法規 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
図は三相3線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量をCとし接地抵抗をRBとする。
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
接地抵抗RBの抵抗値を10Ωとしたときに、RBに常時流れる電流IBの値[mA]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
接地抵抗RBの抵抗値を10Ωとしたときに、RBに常時流れる電流IBの値[mA]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、記載以外のインピーダンスは無視するものとする。

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この過去問の解説 (2件)
01
前問(https://kakomonn.com/denken3/questions/73176)からの続きとなります。
RBに常時流れる電流IBの値[mA]を求めていく問題となります。
まずは電源側のΔ結線をY結線に変換した等価回路で考えていきます。対相三相交流回路の場合、Y結線の中性点は大地と等電位となり接地抵抗RBと対地静電容量Cは導通しており、閉回路となります。その時に流れる抵抗RBと静電容量Cの電圧は相電圧となり値は次のようになります。
・相電圧E=線間電圧V/√3
問題の条件より上記式に線間電圧200[V]を代入すると次のようになります。
・相電圧E=200/√3≒115.5[V]
続いてこの回路にテブナンの定理を用いた時、接地抵抗RBと大地を切り離して考えると交流電源を介した抵抗RBと静電容量Cが3つ並んだ直並列回路となります。よって静電容量が3並列に設置されているという事は次のように考える事ができます。
・静電容量C=C+C+C=3C
そうすると、この回路は抵抗RBと静電容量3Cの直列回路となります。
次に静電容量3CをリアクタンスXcに変換します。
・Xc=1/ω3C=1/2π×f×3C=1/2π×50×3×0.1×10-6≒10615.7[Ω]
変換後、抵抗とリアクタンスの合成インピーダンスZを求めます。
・Z=√R2+Xc2=√102+10615.72≒10615.7[Ω]
最後にオームの法則により、地絡電流IBを求めていきます。
・IB=E/Z=115.5/10615.7≒0.011[A]≒11×10-3=11[mA]
以上のようになります。
こちらが適切な解答となります。
地絡電流が流れる方向や等価回路をイメージできるかが重要なので、類似の過去問などで繰り返しの訓練をお薦め致します。
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02
この問題を解くポイントは、三相回路の等価回路を正しく理解し、静電容量、インピーダンス、接地電流を計算することです。
それでは問題を見ていきましょう。
◎条件を整理します。
線間電圧:200V、周波数:50Hz、対地静電容量:C = 0.1μF、接地抵抗:RB = 10Ω
求めるのは、接地抵抗RBに常時流れる電流IBです。
1. 三相回路の等価回路変換を行います。
三相3線式の各相の対地静電容量Cは、等価回路では直列に足し合わせた形になります。
等価容量 = 3 × C
= 3 × 0.1μF
= 0.3μF
2. 静電リアクタンスの計算をします。
静電リアクタンスXCは次の公式で求めます。
公式:XC = 1 ÷ (2 × π × f × C)ここへ数値を代入します。
f = 50Hz、C = 0.3μF = 0.3 × 10⁻⁶F
計算すると、
XC = 1 ÷ (2 × 3.14 × 50 × 0.3 × 10⁻⁶)
XC ≒ 10,616Ωとなります。
3. 合成インピーダンスの計算をします。
接地抵抗RB(10Ω)と静電リアクタンスXC(10,616Ω)を用いて、合成インピーダンスZを次の公式で求めます。
公式:Z = √(RB² + XC²)数値を代入すると、
Z = √(10² + 10,616²)
Z ≒ 10,616Ωとなります。
※ 静電リアクタンスが非常に大きいため、ZはほぼXCに等しくなります。
4. 接地電流IBの計算をします。
接地電流IBは次の公式で求めます。
公式:IB = E ÷ Z
まず、電圧Eを計算します。
E = 200 ÷ √3
E ≒ 115.47V
次に接地電流IBを求めます。
IB = 115.47 ÷ 10,616
IB ≒ 0.0109A = 10.9mA
計算結果から、接地抵抗RBに常時流れる電流IBは約11mAとなります。
三相回路の等価容量を正しく理解し、インピーダンスと電流を計算することで解答を導びくことが出来ます。
一言知識
「静電リアクタンスとは」
静電リアクタンスは、コンデンサが交流電流の流れを妨げる度合いを示します。
周波数が高いほどリアクタンスは小さくなり、電流が流れやすくなります。
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