第三種電気主任技術者の過去問
令和5年度(2023年)上期
法規 問14
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)上期 法規 問14 (訂正依頼・報告はこちら)
図は三相3線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量をCとし接地抵抗をRBとする。
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
接地抵抗RBの抵抗値を10Ωとしたときに、RBに常時流れる電流IBの値[mA]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
低圧側電路の線間電圧200V、周波数50Hz、対地静電容量Cは0.1μFとして、次の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
接地抵抗RBの抵抗値を10Ωとしたときに、RBに常時流れる電流IBの値[mA]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
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この過去問の解説 (2件)
01
RBに常時流れる電流IBの値の計算
相電圧の計算:相電圧𝐸Eは次のように求められます。𝐸=𝑉3E=3V問題の条件より、
線間電圧𝑉=200 [𝑉]V=200[V]を代入すると、
𝐸=2003≈115.5 [𝑉]E=3200≈115.5[V]
接地抵抗RBと大地を切り離した場合の回路構成:接地抵抗RBと静電容量𝐶Cが3つ並んだ直並列回路とみなせます。
𝐶total=𝐶+𝐶+𝐶=3𝐶
静電容量をリアクタンスXcに変換します。
合成インピーダンスの計算:抵抗RとリアクタンスXcの合成インピーダンス𝑍Zを求めます。
地絡電流IBの計算:オームの法則を用いて地絡電流を求めます。
Xc≒Z
IB=E/Z=115.5/10615.7≒11×10-3=11[mA]
この結果より、常時流れる電流IBは約11mAであることが分かります。
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02
前問(https://kakomonn.com/denken3/questions/73176)からの続きとなります。
RBに常時流れる電流IBの値[mA]を求めていく問題となります。
まずは電源側のΔ結線をY結線に変換した等価回路で考えていきます。対相三相交流回路の場合、Y結線の中性点は大地と等電位となり接地抵抗RBと対地静電容量Cは導通しており、閉回路となります。その時に流れる抵抗RBと静電容量Cの電圧は相電圧となり値は次のようになります。
・相電圧E=線間電圧V/√3
問題の条件より上記式に線間電圧200[V]を代入すると次のようになります。
・相電圧E=200/√3≒115.5[V]
続いてこの回路にテブナンの定理を用いた時、接地抵抗RBと大地を切り離して考えると交流電源を介した抵抗RBと静電容量Cが3つ並んだ直並列回路となります。よって静電容量が3並列に設置されているという事は次のように考える事ができます。
・静電容量C=C+C+C=3C
そうすると、この回路は抵抗RBと静電容量3Cの直列回路となります。
次に静電容量3CをリアクタンスXcに変換します。
・Xc=1/ω3C=1/2π×f×3C=1/2π×50×3×0.1×10-6≒10615.7[Ω]
変換後、抵抗とリアクタンスの合成インピーダンスZを求めます。
・Z=√R2+Xc2=√102+10615.72≒10615.7[Ω]
最後にオームの法則により、地絡電流IBを求めていきます。
・IB=E/Z=115.5/10615.7≒0.011[A]≒11×10-3=11[mA]
以上のようになります。
こちらが適切な解答となります。
地絡電流が流れる方向や等価回路をイメージできるかが重要なので、類似の過去問などで繰り返しの訓練をお薦め致します。
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