第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和5年度(2023年)下期
問21 (理論 問18(a))

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和5年度(2023年)下期 問21(理論 問18(a)) (訂正依頼・報告はこちら)

図1は、飽和領域で動作する接合形FETを用いた増幅回路を示し、図中のvi並びにvoはそれぞれ、入力と出力の小信号交流電圧[V]を表す。
また、図2は、その増幅回路で使用するFETのゲート−ソース間電圧Vgs[V]に対するドレーン電流Id[mA]の特性を示している。
抵抗RG=1MΩ、RD=5kΩ、RL=2.5kΩ、直流電源電圧VDD=20Vとするとき、次の問に答えよ。

FETの動作点が図2の点Pとなる抵抗RSの値[kΩ]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

接合形FETを用いた増幅回路の任意の動作点での抵抗を求める計算問題です。

選択肢4. 1

n接合形FETが動作している場合、下図のような閉回路を考えることができます。

 

 

赤い線の閉回路であるため、青い線のゲート電圧となる部分の電圧は0[V]となります。

これによりゲート-ソース間の電圧は問題文の図2より-1.8[V]となっているので、ソースと抵抗Rs間の任意の点での電圧は1.8[V]となります。

 

また、問題文の図2よりドレイン電流Idが1.8[mA]と与えられており、この電流がFETを通ってRsにも流れてきます。

 

以上のことから、Rsには緑の矢印の向きで電圧降下が起こります。

 

したがって、Rsはオームの法則から

 

Rs=1.8/1.8✕10-3

=1000[Ω]

=1[kΩ]

 

となります。

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02

この問題を解くポイントは、FETの動作点と抵抗の関係を理解することです。

それでは問題を見ていきましょう。

選択肢4. 1

FET(電界効果トランジスタ)は、ゲート-ソース間の電圧Vgsによってドレイン電流Idを制御する素子です。

この問題では、FETのソース側に接続されている抵抗Rsを求めます。

①ソース電流

FETでは、ゲートにはほとんど電流が流れないため、ドレイン電流Idはそのままソース電流Isとなります。

ドレイン電流Idは以下のように与えられています。

Id=1.8mA

したがって、Is=Id=1.8mAとなります。

 

② ソース電圧

ソース電圧Vsは、以下の式で求められます。

Vs=Vg−Vgs

ゲート電圧Vgは0Vで、Vgs=−1.8Vなので、

Vs=0−(−1.8)=1.8V

 

③ Rsの計算

オームの法則Rs=Vs÷Isを用いて求めます。

Rs=1.8V÷1.8mA

1mA=0.001Aなので、

Rs=1.8÷0.0018=1000Ω=1kΩ

正解は1kΩとなります。

まとめ

FETのソース抵抗Rsは、オームの法則Rs=Vs÷Isを用いて求めることができます。

今回はRs=1kΩでした。

一言知識

FETの動作点は、ゲート電圧Vg、ドレイン電流 Id、ソース抵抗Rsなどの関係で決まります。

安定した増幅動作には、この動作点の適切な設定が重要です。

参考になった数1