第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)下期
問13 (理論 問13)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)下期 問13(理論 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

図1は、固定バイアス回路を用いた、RBの値が未知のエミッタ接地トランジスタ増幅回路である。図2は、この増幅回路で用いているトランジスタのコレクタ-エミッタ間電圧VCEとコレクタ電流ICとの関係を予め調べ示した静特性である。ただし、五つのベース電流の値IB[μA]のみに対する曲線であり、増幅回路の負荷抵抗RLの負荷線も重ねて示している。今、増幅回路の動作点を測定したところVCE=3.0Vであった。抵抗RBの値[MΩ]として最も近いものを次のうちから一つ選べ。
ただし、ベース-エミッタ間電圧VBEを0.7Vとしてよい。なお、C1、C2は結合コンデンサであり、VCCは直流電圧源である。
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この過去問の解説 (3件)

01

トランジスタの静特性を利用した回路演算に関する計算問題です。

選択肢2. 0.9

◆VCCを求めます

下図の赤線の閉回路において、キルヒホッフの法則から式を立てると

 

VCC=VCE+RLIC

=5+RL✕0 ※図2よりVCE=5[V]の時、IC=0[A]

=5[V]

 

 

◆RBを求めます

青線の閉回路からRBを求めます。

 

VCC=RBIB+VBE

5=5✕10-6✕RB+0.7

5✕10-6✕RB=5-0.7

RB=(5-0.7)/5✕10-6

=0.86✕106[Ω]

=0.86[MΩ]

 

以上より、最も近い選択肢は0.9[MΩ]となります。

 

※IB=5[μA]は、IBの曲線が2[μA]刻みになっていることに着目して、1本曲線を足し、おおよその推定値として利用しています。

 

参考になった数5

02

トランジスタ増幅回路において、回路内抵抗を求める問題です。

選択肢2. 0.9

図2の直流負荷線をメインに考えます。

VCE=0のときIC=3[mA]、IC=0のときVCE=5[V]なので、

電源電圧=5[V]、負荷抵抗RL=5/3=1.67[kΩ]

となります。

 

VCEが3[V]のとき、

IC=(V-VCE)/RL=(5-3)/1.67=1.2[mA]

と求められます。

 

図2の静特性より、IC=1.2[mA]に対応するIB=5[μA]

となります。

 

問題分より、VBE=0.7[V]が与えられているので、

IB=(V-VBE)/RB

RB=(5-0.7)/5[μA]=0.86[MΩ]

と求められます。

 

よって、0.9[MΩ]が正です。

 

参考になった数2

03

エミッタ接地トランジスタ増幅回路に関する問題です。

コレクターエミッタ間電圧VCEとコレクタ電流ICとの関係は静特性をとります。

しかし、5つのベース電流の値Iのみに対する曲線であり、増幅回路の負荷抵抗RLの負荷線も重なって示されています。

増幅回路の動作点を測定した結果はVCE₌3.0Vであり、ベースーエミッタ間電圧VBEは0.7Vとして考えます。

C1、C2は結合コンデンサ、VCCは直流電圧源として考えます。

その時の、抵抗RBとしての値を求めます。

図2からトランジスタのコレクターエミッタ間電圧は、5.0Vであり、IBは動作点3.0Vと曲線との交点で5.0×10‐6となります。

ICは0mA  となります。

そこから、Vcc₌VCE+R×IC=5+R×0₌5

VCC=RBIB+VBE

5₌RB×5.0×10-6+0.7

5-0.7₌5×10-6RB

RB=4.3/5×10-6

 =8.6×10-7

よって約0.9MΩとなります。

選択肢1. 0.5

誤:計算結果と異なります。

選択肢2. 0.9

正:計算結果と合致します。

選択肢3. 1.5

誤:計算結果と異なります。

選択肢4. 3

誤:計算結果と異なります。

選択肢5. 6

誤:計算結果と異なります。

まとめ

トランジスタに関する複雑な問題でした。

問題から拾い上げる数値やグラフから見て取る数値などがあって、どれがどのように扱えばいいかを、整理しながら計算しなければならない為に、混乱しないようにしていきましょう。

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