1級電気工事施工管理技士の過去問
令和元年度(2019年)
午前 ロ 問16
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問題
1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和元年度(2019年) 午前 ロ 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
蒸気タービンによる汽力発電と比較したコンバインドサイクル発電に関する記述として、不適当なものはどれか。ただし、発電設備は同容量とする。
- 始動用電力が少ない。
- 熱効率が高い。
- 起動・停止時間が長い。
- 大気温度の変化が、出力に与える影響が大きい。
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この過去問の解説 (3件)
01
コンバインドサイクル(複合発電)とは、
汽力発電にガスタービン発電の排熱を利用し総合効率を向上させた発電方式です。
起動・停止時間は、ガスタービン発電の長所であり、短いので、不適当です。
【1】について
コンバインドサイクル発電では、最初に燃料を直接燃やし発生させたガスで、ガスタービンをまわします。
燃料を燃やし蒸気をつくり、蒸気タービンをまわすより、少ないエネルギーで起動させる事ができるので、正しいです。
【2】について
ガスタービン発電で高温の排ガスが発生します。
高温の排熱を、蒸気タービンをまわす蒸気に利用する事で、蒸気タービン単体の汽力発電より熱効率が高くなるので、正しいです。
【4】について
ガスタービン発電では、圧縮された空気の中で、燃料を燃焼します。
空気密度は大気温度に影響する為、大気温度の変化が出力に影響するので正しいです。
(気温が低くなると、空気密度が増え、投入できる燃料も増え、出力も増やす事ができます)
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02
蒸気タービンによる汽力発電では、燃料の燃焼熱により水蒸気を発生させ、この水蒸気でタービンを回転させて発電させます。
一方コンバインドサイクル発電では、燃料の燃焼で発生する燃焼ガスそのものでタービンを回転させるガスタービン発電と、その後の排熱を利用して発生させた蒸気でタービンを回転させる汽力発電を組み合わせたものです。
これらによりコンパインドサイクル発電では、始動電力が少なく、熱効率が高く、起動・停止時間が短いという長所があります。
しかしガスタービンは、大気を吸入圧縮して燃料と混合させて燃焼させているため、大気温度が上昇すると空気密度が下がり発電量が減少するという弱点があります。
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03
蒸気タービンによる汽力発電とコンバインドサイクル発電の比較に関する問題です。
〇
汽力発電のボイラーを稼働させるための電力が、ガスタービンの動作電力に置き換わるため、始動電力は少なくなります。
〇
ガスタービンの熱効率が30% 程度、汽力発電では40% 程度ですが、コンバインドにすることで、ガスタービンの廃熱をそのまま蒸気タービンに利用できるため、コンバインドの熱効率は高くなります。
×
ガスタービンの起動時間が20分、汽力発電の起動時間が60分ですが、その多くの時間が蒸気発生までの準備時間です。
汽力発電の蒸気発生までの準備時間を、ガスタービンの廃熱を利用できるため、汽力発電より時間は短くなります。
したがって、「起動・停止時間が長い」は誤りです。
〇
ガスタービンは大気を圧縮してガスタービンを回して高温の廃熱を汽力発電に利用します。大気の温度が高いほど、排熱の温度も上がり、コンバインドの出力や効率に大きく影響します。
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