1級電気工事施工管理技士の過去問 令和4年度(2022年) 午前 ロ 問44
この過去問の解説 (3件)
直接き電方式とは、交流電化区間において、変電所から出力された交流電圧を架線とレールの間に直接印加して列車の運転を行う方式です。この方式では架線電流による電磁誘導やレールから大地への漏れ電流などにより、沿線にある通信回線や電子機器に妨害を与える恐れがあります。
並列き電方式とは、複数の変電所が並列に接続された、長距離のき電系統の接続方式のことであり、電流を分散し電圧降下を抑制する効果があるために広く適用されています。
ATき電方式は、電気鉄道において単巻変圧器を介して饋電電圧を半分に降圧し動力車に給電する交流電化の手法を指します。通信回線への誘導障害を軽減する目的で使われます。吸上変圧器を使うのは、BT饋電方式で、電圧降下が軽減されるため送電可能距離が倍加して変電所の数を減らすことができますが、電圧が2倍となって絶縁設備の費用が高くなることから、東海道新幹線以外では普及していません。
同軸き電方式は、特殊な同軸ケーブルを用いて、通信障害を防止したき電方式で、ATき電方式のような絶縁設備と空間は不要ですが、ケーブルが高価なため、採用はトンネル内などに限られています。
よって、正解は3です。
電気鉄道におけるき電方式に関する問題です。
〇 正しいです。
直接き電方式は、変電所のき電用変圧器から直接電車線に電力を送電する方式で、レールを帰線に使います。構成は単純ですが、通信障害が大きいネックがあり、日本ではあまり採用されていません。
〇 正しいです。
直流のき電方式は、隣接する変電所間で並列にき電が行われ、電流が大きいためトロリ線とき電線が並列に設けられます。
× 誤りです。
吸上変圧器を設けて通信障害を少なくする方式は、BTき電方式で採用されます。
吸上変圧器は 1:1 の変圧器で、一次側に電車線、二次側に負き電線に接続します。BTき電方式の変電所間隔は、30 km~50 km間隔です。
ATき電線方式は、単巻変圧器を用いるき電方式です。単巻変圧器は巻線の中央は中性点としてレールと接続し、巻線の一端は電車線に、もう一端はき電線に接続されます。ATき電方式の変電所間隔は、100 km間隔です。
したがって、選択肢の説明は、BTき電線方式で、ATき電線方式は、誤りです。
〇 正しいです。
交流電化電圧は特別高圧で、トンネル内や建物が密集している地域では、内部が導体、外部も導体の二重構造の電力用同軸ケーブルがき電方式に使用されます。内部導体はトロリ線に、外部導体はレールに接続され、通信誘導障害を防止します。
電気鉄道におけるき電方式に関する問題です。
〇 正しいです。
直接き電方式は、変電所の交流電力を直接、電気車に供給します。
交流電化区間に使用されますが、通信障害の恐れがあります。
〇 正しいです。
✕ 誤りです。
記述はBTき電方式です。
〇 正しいです。
交流き電方式では使用する電力は単相交流であるため、電力系統に不平衡を生じる恐れがあります。
その為、単相変圧器を使用してスコット結線変圧器とし、不平衡を解消するのがATき電方式です。
BTき電方式と間違いやすいので注意しましょう。
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