1級電気工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
午後 ロ 問66

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問題

1級 電気工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 午後 ロ 問66 (訂正依頼・報告はこちら)

工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 採算速度とは、損益分岐点の施工出来高以上の施工出来高をあげるときの施工速度をいう。
  • 作業工程を速くすると品質は低下しがちで、品質の良いものを望めば原価は高くなる。
  • 変動原価は、出来高に比例して大きくなる費用のことである。
  • 間接工事費は、一般に施工速度を遅くするほど安くなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

工程管理のうち、経済性管理に関する問題です。

選択肢1. 採算速度とは、損益分岐点の施工出来高以上の施工出来高をあげるときの施工速度をいう。

〇 正しいです。

損益分岐点では、黒字でも赤字でもない状態ですが、施工速度を上げると黒字になります。

選択肢2. 作業工程を速くすると品質は低下しがちで、品質の良いものを望めば原価は高くなる。

〇 正しいです。

作業を手抜きして速く行うと品質は低下します。

品質を上げようとすれば、材料費や手間賃がかかり、原価は高くなります。

選択肢3. 変動原価は、出来高に比例して大きくなる費用のことである。

〇 正しいです。

変動原価は材料費や燃料費などであり、出来高に比例します。

選択肢4. 間接工事費は、一般に施工速度を遅くするほど安くなる。

✕ 誤りです。

間接工事費は、監督員の給与や現事務所経費などであり、施工速度が遅いほど高くなります。

まとめ

工事費=直接工事費+間接工事費  であり、

直接工事費=材料費+施工費

間接工事費=監督職員の人件費や現場事務所経費など

です。

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02

工程管理は時間管理と同時に、施工の方法と費用も動くために、経済的な管理も必要です。

今回の問題は、工程の進捗状態と、工事の総費用の関係の問題です。

選択肢1. 採算速度とは、損益分岐点の施工出来高以上の施工出来高をあげるときの施工速度をいう。

〇 正しいです。

総原価は、固定原価と変動原価の合計になりますが、工事総原価と施工出来高が同じになるときに、収入と支出が等しくなります。このときを損益分岐点と言い、損益分岐点の出来高より下がると、損失となり、逆だと利益になります。損益分岐点の施工出来高を上げるときの施工速度を採算速度と言います

選択肢2. 作業工程を速くすると品質は低下しがちで、品質の良いものを望めば原価は高くなる。

〇 正しいです。

作業工程を早くすると工事の手抜きや中間検査を行わなかったりするため、工事品質は低下します。品質を良くしようとすれば、作業員を増やして丁寧な工事をすること、必要な検査を行うなどで、コストが増加し、原価が上がることになります

選択肢3. 変動原価は、出来高に比例して大きくなる費用のことである。

〇 正しいです。

総原価は、固定原価と変動原価の合計ですが、出来高が上がると総原価が上がります。固定原価は一定であるので、変動原価は、出来高に比例して大きくなる費用です。

選択肢4. 間接工事費は、一般に施工速度を遅くするほど安くなる。

× 誤りです。

縦軸に費用、横軸に工程を取ったグラフを見ると、間接費と直接費の合計の総費用は初めは高くなりますが、工程が進むにしたがって下がってくることがわかります。これは間接費が下がってくるためです。総費用が最小になってから、今度は徐々に上昇しますが、工程が進むにしたがって直接費が上昇するするためです。工程の初期から終盤の施工を施工速度と言い、初めは遅く、工程に従って徐々に早くなります。

したがって、施工速度を遅くすると、間接費は高くなります

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