2級電気工事施工管理技士の過去問
令和元年度(2019年)後期
1 問9
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問題
2級 電気工事施工管理技術検定試験 令和元年度(2019年)後期 1 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
変電所に用いる分路リアクトルに関する次の記述のうち、( )に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。
「分路リアクトルは、深夜などの軽負荷時に誘導性の負荷が少なくなったとき、長距離送電線やケーブル系統などの( ア )電流による、受電端の電圧( イ )を抑制するために用いる。」
「分路リアクトルは、深夜などの軽負荷時に誘導性の負荷が少なくなったとき、長距離送電線やケーブル系統などの( ア )電流による、受電端の電圧( イ )を抑制するために用いる。」
- ア:進相 イ:上昇
- ア:進相 イ:低下
- ア:遅相 イ:上昇
- ア:遅相 イ:低下
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この過去問の解説 (3件)
01
日中、供給先で多くの電動機が動いていれば、それらの誘導性の負荷の影響で力率は遅れがちになります。
逆に深夜、多くの誘導性の負荷が切り離されていれば、送電線やケーブルの静電性の負荷の影響で力率は進みがちになります。
この時「フェランチ効果」と呼ばれる「受電端電圧が送電端電圧よりも大きくなる」現象が起きることがあります。
この問題は、そうした深夜に力率が進みすぎることによるトラブルを防ぐための「分路リアクトル」に関するものです。
ですから「長距離送電線やケーブル系統などの”進相”電流による、受電端の電圧”上昇”を抑制するために用いる」となるのが正しく、正解は1です。
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02
元々遅れ電流を打消す為にあった進み電流は、遅れ電流が減少した為、進み電流が残ります。
この進み電流により、電圧が上昇します。
よって、「進相電流による、受電端の電圧上昇を抑制」の1番が正しいです。
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03
分路リアクトルは、受電・送電変電所の分路するところに設置して、負荷が小さいときに電圧が上がるのを防止し、進相無効電力を吸収します。
分路リアクトルは、高圧送電線や都市でのケーブル増大に伴い、軽負荷時に、フェランチ効果で電圧が上がることを抑制する目的もあります。
負荷の力率は遅れ力率であるのが一般的で、負荷が大きくなると、電流は電圧より位相が遅れます。
遅れた電流がリアクタンス中を通るときに、受電電圧は送電電圧より低くなります。
しかし、深夜のような負荷が少ないときは、充電電流が大きくなり、その影響で進み電流となります。
特に、無負荷のときは顕著です。この場合、受電端電圧は、送電端電圧よりも高くなります。これがフェランチ現象です。
この現象は、送電電路が長く、送電線の静電容量が大きいほど、現象が顕著になります。
この現象を押さえるのに効果的なものが、分路リアクトルの接続です。
以上から、問題文中のマスク部分は、
ア:進相, イ:上昇
となります。
〇 正解です。
× 誤りです。
× 誤りです。
× 誤りです。
<まとめ>
問題の文章を整理すると、次となります。
「分路リアクトルは、深夜などの軽負荷時に誘導性の負荷が少なくなったとき、長距離送電線やケーブル系統などの進相電流による、受電端の電圧上昇を抑制するために用いる。」
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