2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)後期
問14 (ユニットC 問4)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)後期 問14(ユニットC 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

架空送電線路における電線のたるみに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 温度が高くなると、たるみは大きくなる。
  • たるみを小さくすると、電線は短くてすむ。
  • たるみを大きくすると、電線にかかる張力は小さくなる。
  • たるみを小さくすると、電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、架空送電線の「たるみ」についての正しい知識を問うものです。

たるみは電線の安全性や機械的な強度、電気的な性能に大きく関係します。

選択肢1. 温度が高くなると、たるみは大きくなる。

適切な記述です。
温度が上がると電線が熱膨張して長くなるため、たるみは大きくなります。

選択肢2. たるみを小さくすると、電線は短くてすむ。

適切な記述です。
この記述は一見誤りに見えますが、正しいです。
たるみが大きい場合は、支柱間をゆるやかに湾曲するため必要な電線の長さが増えます。
逆に、たるみを小さくすれば、直線に近づき、必要な電線長さは短くなります。

選択肢3. たるみを大きくすると、電線にかかる張力は小さくなる。

適切な記述です。
たるみを大きくするほど、電線にかかる引張力(張力)は小さくなります。

選択肢4. たるみを小さくすると、電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある。

不適切な記述です。
たるみが大きすぎる場合に、電線が風や氷雪で大きく揺れて接触し、短絡事故が起こるおそれがあります。たるみを小さくすると、電線間の距離が保たれ、むしろ接触しにくくなります

この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。

 

まとめ

不適当なのは
「たるみを小さくすると、電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある。」です。
この記述は実際とは逆で、たるみが大きいときに接触のリスクが高まるため、誤りです。

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02

架空送電線路の電線のたるみに関する問題です。

 

架空電線のたるみは、電線の自重・氷雪の荷重・風圧による荷重などで起こりますが、次の点に注意が必要です。

1) たるみが小さくなると、電線の張力が大きくなります。

2) たるみが大きいとき、電線振れも大きくなり、線間接触・樹木や工作物への接触のおそれがあります。

3) 温度が高温になると、電線が伸び、たるみが最も大きくなって、地表面に最も近づく。

4) たるみの大きさは、支持物の高さに影響します。

 

D:電線たるみ、W:電線単位重量、S:径間長、

T:最低点Mの電線水平張力、(A点とB点が水平であれば、TB≒T)、L:架線実長

D=W・S2/8T、L=S+(8・D2/3S)

選択肢1. 温度が高くなると、たるみは大きくなる。

問題文通りの内容です

 

温度が高温になると、電線が伸び、たるみが最も大きくなって、地表面に最も近づきます。

選択肢2. たるみを小さくすると、電線は短くてすむ。

問題文通りの内容です

 

冒頭解説の式 L=S+(8・D2/3S) から、Dを小さくすれば、Lは短くなります。

選択肢3. たるみを大きくすると、電線にかかる張力は小さくなる。

問題文通りの内容です

 

冒頭解説の式 D=W・S2/8T から、Dが大きいと、T(張力)は小さくなります。

選択肢4. たるみを小さくすると、電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある。

たるみを大きくし過ぎると、電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある

 

たるみを大きくし過ぎたときに、電線間の間隔が狭まって、大風で電線が大きく揺れたときに、接触する可能性があります。(電柱に固定されても電柱の固定がやわまったと仮定します)

 

たるみを小さくし過ぎると、冬の着雪時などで過大な張力が加わる可能性があります。

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