FP3級の過去問
2023年5月
実技 問5

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問題

FP3級試験 2023年5月 実技 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

下記<資料>に基づくMX株式会社の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、購入時の手数料および税金は考慮しないこととする。
問題文の画像
  • 株価収益率(PER)で比較した場合、MX株式会社の株価は日経平均採用銘柄の平均(予想ベース)より割安である。
  • 株価純資産倍率(PBR)で比較した場合、MX株式会社の株価は東証プライム全銘柄の平均より割高である。
  • 配当利回りで比較した場合、MX株式会社の配当利回りは東証グロース全銘柄の単純平均(予想ベース)より高い。

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この過去問の解説 (3件)

01

株式投資に用いる投資指標の見方と、計算方法の問題です。

選択肢1. 株価収益率(PER)で比較した場合、MX株式会社の株価は日経平均採用銘柄の平均(予想ベース)より割安である。

適切な選択肢です。

PERとは、『株価が1株あたり純利益の何倍か』を表したものです。

PERが低いほど割安、高いほど割高といえます。

計算方法は、

PER(倍)=株価÷1株あたり純利益(EPS)

となります。

日経平均採用銘柄のPERは12.62倍であり、

MX社のPERは、4500÷685≒6.57倍

ですので、MX社の方が割安であるといえます。

選択肢2. 株価純資産倍率(PBR)で比較した場合、MX株式会社の株価は東証プライム全銘柄の平均より割高である。

不適切な選択肢です。

PBRとは、『株価が1株あたり純資産の何倍か』を表したものです。

PBRが低いほど割安、高いほど割高といえます。

計算方法は、

PBR(倍)=株価÷1株あたり純資産(BPS)

となります。

東証プライム全銘柄のPBRは1.18倍であり、

MX社のPBRは、4500÷5150≒0.87倍

ですので、MX社の方が割安であるといえます。

選択肢3. 配当利回りで比較した場合、MX株式会社の配当利回りは東証グロース全銘柄の単純平均(予想ベース)より高い。

適切な選択肢です。

配当利回りとは、『株価に対する配当金の割合』を表したものです。

計算方法は、

配当利回り(%)=1株当たり配当金÷株価×100

となります。

東証グロース全銘柄の配当利回りが0.32%であり、

MX社の配当利回りは、150÷4500×100≒3.33%

ですので、MX社の方が配当利回りが高いといえます。

まとめ

他の投資指標として、

・ROE(自己資本利益率):自己資本を使ってどれだけの利益を上げたか

  ROE(%)=税引後当期純利益÷自己資本×100

・配当性向:純利益に対する配当金の割合

  配当性向(%)=配当金総額÷税引後当期純利益×100

などもありますので、同時に覚えておきましょう。 

参考になった数7

02

この問題で覚えておくポイントは、株式投資に用いられる指標についてです。PERはPER(倍)⁼株価/1株あたりの純利益の式で算出でき、低い銘柄は割安、高い銘柄は割高といえます。PBRはPBR(倍)⁼株価/1株あたりの純資産の式で算出でき、低い銘柄は割安、高い銘柄は割高といえます。配当利回りは配当利回り(%)⁼1株あたりの年間配当金/株価×100の式で算出できます。

選択肢1. 株価収益率(PER)で比較した場合、MX株式会社の株価は日経平均採用銘柄の平均(予想ベース)より割安である。

MX株式会社のPERは、株価:4500円、1株あたりの純利益:685円ですので、PER(倍)⁼4500/685≒6.57(倍)となります。日経平均採用銘柄のPERは12.62(倍)であり、MX株式会社のPERは日経平均採用銘柄のPERよりも低いので、MX株式会社の方が割安となります。したがって、この選択肢は適切です。

選択肢2. 株価純資産倍率(PBR)で比較した場合、MX株式会社の株価は東証プライム全銘柄の平均より割高である。

MX株式会社のPBRは、株価:4500円、1株あたりの純資産:5150円ですので、PBR(倍)⁼4500/5150≒0.87となります。東証プライム全銘柄のPBRは1.18(倍)であり、MX株式会社のPBRは東証プライム全銘柄のPBRよりも高いので、MX株式会社の方が割高となります。したがって、この選択肢は不適切です。

選択肢3. 配当利回りで比較した場合、MX株式会社の配当利回りは東証グロース全銘柄の単純平均(予想ベース)より高い。

MX株式会社の配当利回りは、株価:4500円、1株あたりの年間配当金:150円ですので、配当利回り(%)⁼150/4500×100≒3.33(%)となります。東証グロース全銘柄の配当利回りは0.32(%)であり、MX株式会社の配当利回りは東証グロース全銘柄の配当利回りよりも高いので、この選択肢は適切です。

まとめ

株式投資に用いられる指標を覚えることはもちろんですが、問題文で問われている値は、資料のどの値であるかという事を正確に判断できることも重要です。

参考になった数2

03

ポイントとしては株式投資に関する評価指標の計算ができるかです。

また、割高か割安かを判断できるかもポイントです。

選択肢1. 株価収益率(PER)で比較した場合、MX株式会社の株価は日経平均採用銘柄の平均(予想ベース)より割安である。

誤りです。PERは、「株価÷1株あたり純利益」で求められます。

MX株式会社のPERは、4500円÷685円=6.569倍...となります。日経平均採用銘柄の平均ベースのPERは、12.62(13.23)倍となり、PERが割安な場合は数字が小さい方になるので、MX株式会社の方が日経平均採用銘柄の平均ベースより割安となります。

選択肢2. 株価純資産倍率(PBR)で比較した場合、MX株式会社の株価は東証プライム全銘柄の平均より割高である。

正解です。PBRは、「株価÷1株あたり純資産」で求められます。

MX株式会社のPBRは、4500円÷5150円=0.873...倍となります。東証プライム全銘柄の平均のPBRは、1.18倍となります。

PBRはPERと同じように数字が高い方が割高なので、MX株式会社は東証プライム全銘柄の平均より割安となります。

選択肢3. 配当利回りで比較した場合、MX株式会社の配当利回りは東証グロース全銘柄の単純平均(予想ベース)より高い。

誤りです。配当利回りは、「1株あたり配当金÷株価×100」で求められます。

MX株式会社の配当利回りは、150円÷4500円×100=3.3333%となります。

東証グロース全銘柄の単純平均の配当利回りは、0.32(0.28)%となります。

配当利回りは、数字が大きい方が割安となるため、MX株式会社は東証グロース全銘柄の単純平均より割安となります。

まとめ

PERとPBRは、語句自体紛らわしいのですがROEや配当性向、配当利回りを含めそれぞれどのような意味なのかと計算式を一緒に覚えることで、答えに近づけます。

あとはどちらが割安か割高かというのも、PER・PBRと配当をしっかりと区別できるようにしておきましょう。

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