技術士の過去問
平成28年度(2016年)
適性科目 問31

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問題

技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 適性科目 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

技術士及び技術士補は、技術士法第4章( 技術士等の義務 )の規定の遵守を求められている。次に掲げる記述について、第4章の規定に照らして適切なものの数を選べ。

ア  技術士等は、顧客から受けた業務を誠実に実施する義務を負っている。顧客の指示が如何なるものであっても、指示通りに実施しなければならない。
イ  技術士等は、職務上の助言あるいは判断を下すとき、利害関係のある第三者又は組織の意見をよく聞くことが肝要であり、多少事実からの判断と差異があってもやむを得なし。
ウ  技術士は、その登録を受けた技術部門に関しては、充分な知識及び技能を有しているので、その登録部門以外に関する知識及び技能の水準を重点的に向上させるよう努めなければならない。
エ  技術は日々変化、進歩している。技術士は、名称表示している専門技術業務領域を能力開発することによって、業務領域を拡大することができる。
オ  技術士等は、その業務を行うに当たっては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならないが、顧客の利益を害する場合は守秘義務を優先する必要がある。
カ  企業に所属している技術士補は、顧客がその専門分野能力を認めた場合は、技術士補の名称を表示して技術士に代わって主体的に業務を行ってよい。
キ  技術士等の秘密保持義務は、所属する組織の業務についてであり、退職後においてまでその制約を受けるものではない。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。
技術士法第四章に関する正誤問題です。
各項目は以下の通りです。

ア 誤りです。
技術士法第四十五条の二にて、公益確保の責務が規定されています。
技術士は公共の安全、環境の保全等に務める責務がありますので、
内容として不適当です。

イ 誤りです。
技術士法第四十五条の二に規定される、公益確保の責務の通り、
公共の安全、環境の保全等に務める責務があります。
利害関係にのみ有利な助言、判断はこれを果たしていないことになります。

また、技術士法第四十四条では信用失墜行為の禁止が規定されています。
利害関係のある者・組織のために、事実に反した助言・判断を行うことは、
技術士の信用を失墜させる行為になります。
したがって、不適当な内容です。

ウ 誤りです。
技術士法第四十七条の二に、技術士の資質向上の責務が謳われています。
業務に関して有する知識及び技能の水準を向上するように規定されているので、
不適当な内容です。

エ 正しいです。
専門技術領域の能力開発によって、資質向上に務める責務があります。

オ 誤りです。
公益確保の責務と、守秘義務どちらを優先すべきかという問ですが、
技術士倫理綱領の基本綱領にある、公衆利益の優先には以下の記述があります。
「技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。」
したがって、顧客利益ではなく、公益利益を優先するべきと考えられるため、
不適当な内容です。

カ 誤りです。
技術士法第四十七条に規定されている通り、
技術士を補助する場合以外で、技術士補の名称を表示して、業務を行うことは、
禁止されています。
したがって、不適当な内容です。

キ 誤りです。
技術士法第四十五条で規定されている通り、
技術士、技術士補でなくなった後も、守秘保持義務があります。
したがって、不適当な内容です。

以上から、正しいのは、エの1つなので、
2が正解です。

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02

技術士法第4章( 技術士等の義務 )に関する正誤問題です。
内容が適切な選択肢の数を選びます。
各選択肢の正誤は以下の通りです。

ア:不適切です
第45条の2(技術士等の公益確保の責務)において、「公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない」とあります。
顧客の指示がこれに反する場合でも、公益を優先しなければなりません。

イ:不適切です
技術士倫理において、技術士には「真実性の確保」が求められており、事実に基づいて報告をしなければなりません。
これに反することは、技術士の信用を失うものであり、第44条(信用失墜行為の禁止)に反します。

ウ:不適切です
第47条の2(技術士の資質向上の責務)において、「常にその業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させなければならない」とあり、登録部門の知識も常に向上させる必要があります。

エ:適切です
技術は常に進歩しており、新技術やより効率的な手法も増え続けていることから、専門技術領域の能力開発は、さらなる領域拡大につながります。

オ:不適切です
技術士は、第45条の2(技術士等の公益確保の責務)にあるように、公益を害することのないように努めなければならず、これは顧客の利益より優先されます。

カ:不適切です
第47条(技術士補の業務の制限等)において、「技術士補の名称を表示して当該業務を行ってはならない」とあり、これに反します。

キ:不適切です
第45条(技術士等の秘密保持義務)において、「技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする」とあり、これに反します。

よって、適切なものの数は1つなので、2が正解です。

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03

<正解>2

[解説]

技術士法第4章 技術士等の義務に関する正誤問題です。

アからキの記述内容の適否は以下のとおりとなります。

ア 不適切な内容です。

第45条の2(技術士等の公益確保の責務)において、

「公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない」

とあります。

したがって、顧客からの指示が公共の安全、環境の保全その他の公益を害するようなものである場合には、

顧客の指示通りに実施しなければならないわけでありません。

よって、不適切な内容です。

イ 不適切な内容です。

第45条の2(技術士等の公益確保の責務)において、

「公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない」

とあります。

利害関係のある第三者や組織の意見と事実からの判断との間に差異がある場合には、

事実からの判断に基づいて、職務上の助言あるいは判断を行うことが求められています。

また、利害関係のある第三者や組織のために事実に反した助言・判断を行うことは、

技術士法第44条に定める信用失墜行為の禁止に違反する可能性があります。

よって、不適切な内容です。

ウ 不適切な内容です。

第47条の2(技術士の資質向上の責務)において、

「常にその業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させなければならない」とあります。

これにより、登録部門に係る知識及び技能の水準を向上させることが求められています。

よって、不適切な内容です。

エ 適切な内容です。

第47条の2(技術士の資質向上の責務)において、

「常にその業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させなければならない」とあります。

そして、業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させることによって、

業務領域を拡大することが可能となります。

よって、適切な内容です。

オ 不適切な内容です。

第45条においては、「技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、

その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。

技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする。」とあり、

第45条の2においては、「技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たっては、

公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。」

とあります。両者が競合する際にどちらを優先するかということについては、

技術士倫理綱領の基本綱領に次のような定めがあります。

「技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。」

これより、顧客の利益よりも公共の安全、環境の保全その他の公益

すなわち公衆の安全を優先するべきと考えられます。

よって、不適切な内容です。

カ 不適切な内容です。

技術士法第47条第1項において、

「技術士補は、第2条第1項に規定する業務について技術士を補助する場合を除くほか、技術士補の名称を表示して当該業務を行つてはならない。」とあります。

したがって、技術士補は技術士に代わって主体的に業務を行うことは認められていません。

よって、不適切な内容です。

キ 不適切な内容です。

技術士法第45条において、

「技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、

又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする。」

とあります。

したがって、退職後に技術士や技術士補でなくなった後でも守秘保持義務があります。

よって、不適切な内容です。

以上のことから、適切な内容の選択肢は、エの1つなので、2が正解となります。

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