<正解>2
[解説]
営業秘密に関する記述について、正誤の組み合わせを問う問題です。
なお、「営業秘密」とは、
秘密として管理されている生産方法、販売方法その他
事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、
公然と知られていないものをいいます。
営業秘密として認められるためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
〇秘密管理性 秘密として管理されていること
〇有用性 有用な営業上又は技術上の情報であること
〇非公知性 公然と知られていないこと
これらを踏まえて、各選択肢の正誤は以下のとおりです。
(ア)正しい記述です。
営業秘密には、顧客名簿や新規事業計画、価格情報、対応マニュアルなどの営業情報のほか、製造方法・ノウハウ、新規物質情報、設計図面などの技術情報が含まれます。
よって、正しい記述です。
(イ)誤った記述です。
有害物質の垂れ流しや脱税等の反社会的な活動についての情報は、
法が保護すべき正当な事業活動ではないため、
有用性があるとはいえません。
よって、誤った記述です。
(ウ)正しい記述です。
刊行物に記載された情報や特許として公開されたものは、
秘密として管理されているとはいえないため、
秘密管理性があるとはいえません。
よって、誤った記述です。
(エ)誤った記述です。
「営業秘密」として不正競争防止法で保護されるためには、
・秘密として管理されていること(秘密管理性)
・有用な営業上又は技術上の情報であること(有用性)
・公然と知られていないこと(非公知性)
の全てを満たす必要があります。
よって、誤った記述です。
これらを踏まえて各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。
1 イが〇、ウが×となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
2 アからエまでの全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
3 アが×、エが〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
4 アからエの全てが合致していないため、
不適切な組み合わせとなります。
5 エが〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
よって、正解は2となります。