技術士の過去問
令和2年度(2020年)
適性科目 問34
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 適性科目 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
近年、企業の情報漏洩に関する問題が社会的現象となっている。営業秘密等の漏洩は企業にとって社会的な信用低下や顧客への損害賠償等、甚大な損失を被るリスクがある。例えば、石油精製業等を営む会社のポリカーボネート樹脂プラントの設計図面等を、その従業員を通じて競合企業が不正に取得し、さらに中国企業に不正開示した事案では、その図面の廃棄請求、損害賠償請求等が認められる(知財高裁 平成23.9.27)など、基幹技術など企業情報の漏えい事案が多発している。また、サイバー空間での窃取、拡散など漏えい態様も多様化しており、抑止力向上と処罰範囲の整備が必要となっている。
営業秘密に関する次の(ア)~(エ)の記述について、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア) 顧客名簿や新規事業計画書は、企業の研究・開発や営業活動の過程で生み出されたものなので営業秘密である。
(イ) 製造ノウハウやそれとともに製造過程で発生する有害物質の河川への垂れ流しといった情報は、社外に漏洩してはならない営業秘密である。
(ウ) 刊行物に記載された情報や特許として公開されたものは、営業秘密に該当しない。
(エ) 技術やノウハウ等の情報が「営業秘密」として不正競争防止法で保護されるためには、(1)秘密として管理されていること、(2)有用な営業上又は技術上の情報であること、(3)公然と知られていないこと、の3つの要件のどれか1つに当てはまれば良い。
営業秘密に関する次の(ア)~(エ)の記述について、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア) 顧客名簿や新規事業計画書は、企業の研究・開発や営業活動の過程で生み出されたものなので営業秘密である。
(イ) 製造ノウハウやそれとともに製造過程で発生する有害物質の河川への垂れ流しといった情報は、社外に漏洩してはならない営業秘密である。
(ウ) 刊行物に記載された情報や特許として公開されたものは、営業秘密に該当しない。
(エ) 技術やノウハウ等の情報が「営業秘密」として不正競争防止法で保護されるためには、(1)秘密として管理されていること、(2)有用な営業上又は技術上の情報であること、(3)公然と知られていないこと、の3つの要件のどれか1つに当てはまれば良い。
- ア:○ イ:○ ウ:× エ:×
- ア:○ イ:× ウ:○ エ:×
- ア:× イ:× ウ:○ エ:○
- ア:× イ:○ ウ:× エ:○
- ア:○ イ:× ウ:○ エ:○
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この過去問の解説 (3件)
01
解答
問題文にもある通り、情報漏洩は近年大きな問題となってきていますので、技術士試験においてもよく取り扱われる問題となっています。問題文の中で出てきた「営業秘密」に関する考え方は、経済産業省のサイト(https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/trade-secret.html)に、各種資料を用いて詳しく解説されています。
単なる正誤選択ではなく、「(ア)〜(エ)の正誤の組み合わせ」について、正しいものを一つ選ぶ、という問題です。このような問題では、まず、(ア)〜(エ)の項目を一つずつ丁寧に読み、正しいかどうか判断します。続いて、組み合わせをきちんと書き出して、その組み合わせと一致する選択肢を選ぶようにします。項目ごとの正誤判断ももちろん重要ですが、続くこの過程でミスが起こりやすいので、慎重に行ってください。
まず、それぞれの正誤ですが、
(ア)→正しいです。他に、価格情報、製造方法、設計図面、などが該当します。
(イ)→誤りです。有害物質の垂れ流し、脱税等の反社会的な活動についての情報は、法が保護すべき正当な事業活動ではないため、有用性があるとはいえず、営業秘密の3要件に該当しません。
(ウ)→正しいです。公開されているので「公然と知られていないこと」に該当しません。
(エ)→誤りです。「営業秘密」として保護されるためには、3つの要件を「全て」満たすことが必要になります。
これらの正誤を正確に並べると、2.が正解となります。
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02
<正解>2
[解説]
営業秘密に関する記述について、正誤の組み合わせを問う問題です。
なお、「営業秘密」とは、
秘密として管理されている生産方法、販売方法その他
事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、
公然と知られていないものをいいます。
営業秘密として認められるためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
〇秘密管理性 秘密として管理されていること
〇有用性 有用な営業上又は技術上の情報であること
〇非公知性 公然と知られていないこと
これらを踏まえて、各選択肢の正誤は以下のとおりです。
(ア)正しい記述です。
営業秘密には、顧客名簿や新規事業計画、価格情報、対応マニュアルなどの営業情報のほか、製造方法・ノウハウ、新規物質情報、設計図面などの技術情報が含まれます。
よって、正しい記述です。
(イ)誤った記述です。
有害物質の垂れ流しや脱税等の反社会的な活動についての情報は、
法が保護すべき正当な事業活動ではないため、
有用性があるとはいえません。
よって、誤った記述です。
(ウ)正しい記述です。
刊行物に記載された情報や特許として公開されたものは、
秘密として管理されているとはいえないため、
秘密管理性があるとはいえません。
よって、誤った記述です。
(エ)誤った記述です。
「営業秘密」として不正競争防止法で保護されるためには、
・秘密として管理されていること(秘密管理性)
・有用な営業上又は技術上の情報であること(有用性)
・公然と知られていないこと(非公知性)
の全てを満たす必要があります。
よって、誤った記述です。
これらを踏まえて各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。
1 イが〇、ウが×となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
2 アからエまでの全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
3 アが×、エが〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
4 アからエの全てが合致していないため、
不適切な組み合わせとなります。
5 エが〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
よって、正解は2となります。
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03
営業秘密に関する正誤問題です。
(ア)記述の通り、正解です。
(イ)誤りです。営業秘密は下記3つを全て満たす必要があります。
秘密管理性:秘密として管理されていること
有用性:有用な営業上又は技術上の情報であること
非公知性:公然と知られていないこと、
有害物質の河川への垂れ流しは速やかに外部に公表する必要があります。
(ウ)記述の通り、正解です。
(エ)誤りです。(イ)に記載した通り、営業秘密は秘密管理性、有用性、非公知性の3つを全て満たす必要があります。
したがって、2が正解となります。
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