1級建築施工管理技士の過去問
平成30年(2018年)
午前 問11

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 平成30年(2018年) 午前 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • SN490BやSN490Cは、炭素当量などの上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。
  • TMCP鋼は、熱加工制御により製造された、溶接性は劣るが高じん性の鋼材である。
  • 耐火鋼(FR鋼)は、モリブデン等を添加して耐火性を高めた鋼材である。
  • 低降伏点鋼は、添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼で、強度が低く延性が高い鋼材である。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

1:設問通りです。
SN490Bは建築構造用圧延鋼材の1つで、建物の梁や柱に使う鋼材です。強度が高いので、比較的高さのある建物や荷重が大きな建物に利用します。SN490Bは、SN400Bより強度が高くなった鋼材と考えればよいでしょう。強度は高いですが、ヤング係数は同じなので剛性が変わらないことに注意が必要です。

SN490Cは建築構造用圧延鋼材の1つで、他のSN材と同様に、変形性能に優れた鋼材です。また「C材」はA材やB材に比べて、板厚方向の割れ(ラメラテア)性能が大きく改善されており、C材は鉄骨造のダイアフラム(柱と梁を一体化するために必要な鋼板)やベースプレートなど引張力が作用する部材に使います。

溶接性については、これに大きく影響する炭素当量のほか、溶接割れ感受性、成分としては不純物元素であるリン、硫黄の量を低く規定してあり、鉄骨造建築物などで使われている一般的な溶接で、溶接欠陥の発生を防止できるような規格構成になっています。熱加工制御を行った場合についての炭素当量、溶接割れ感受性組成についてはSN490BとSN490Cについてのみ規定されています。

2:誤りです。
建築構造用TMCP(Thermo Mechanical Control Process)鋼は、水冷型熱加工制御(TMCP)に適応して製造される鋼材で、圧延時に焼き戻し加工をすることにより、高じん性で、同じ降伏点のSN材やSM材に比べて炭素当量が低減されているので、溶接性が優れています。建築基準法第37条(建築材料の品質)第二号による国土交通大臣認定品です。

3:設問通りです。
耐火鋼(Fire Resistant Steel)は、鉄骨造建築物の耐火性能確保に必要な耐火被覆を低減または省略することを目的として開発された鋼材です。

4:設問通りです。
低降伏点鋼は、イメージとしては、ソフトキャンディのように引っ張ったら簡単に伸びるような鋼材です。この低降伏点鋼を用いた履歴型制振ダンパーを建物に組み込む事で、地震時の建物の揺れが抑えられ、柱や梁などの主要構造部の損傷を未然に防ぐ事が可能です。

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02

以下、選択肢ごとに解説します。

選択肢1. SN490BやSN490Cは、炭素当量などの上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

正しい。

設問の通りです。

 

選択肢2. TMCP鋼は、熱加工制御により製造された、溶接性は劣るが高じん性の鋼材である。

誤り。

溶接性が優れています。建築基準法第37条(建築材料の品質)第二号による国土交通大臣認定品です。

選択肢3. 耐火鋼(FR鋼)は、モリブデン等を添加して耐火性を高めた鋼材である。

正しい。

設問の通りです。

選択肢4. 低降伏点鋼は、添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼で、強度が低く延性が高い鋼材である。

正しい。

設問の通りです。

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