1級建築施工管理技士 過去問
平成30年(2018年)
問22 (午前 問22)
問題文
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
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問題
1級 建築施工管理技術検定試験 平成30年(2018年) 問22(午前 問22) (訂正依頼・報告はこちら)
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 根切り底面下に被圧帯水層があり、盤ぶくれの発生が予測されたので、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。
- ボイリング対策として、周辺井戸の井戸枯れや軟弱層の圧密沈下を検討し、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。
- 床付け地盤が凍結したので、凍結した部分は良質土と置換した。
- ヒービングの発生が予測されたので、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:設問通りです。
ディープウェル工法とは、250~600mm程度の井戸を掘り、地下水位の高低差により井戸内に地下水を集め、水中ポンプで強制排水する方法です。集水を、重力により行うので、重力排水工法ともいいます。掘削床面の盤ぶくれを防止するため、地下水帯の減圧を図る場合等に有効です。
2:設問通りです。
ボイリングは、主に砂質地盤で発生する現象で、遮水性の土留壁を用いた場合、水位差により上向きの浸透水が生じることで生じます。この浸透水が土の有効土圧をこえると、沸騰したように水が沸上がり、掘削底面の土がせん断抵抗を失い急激に土留めの安定性が失われてしまいます。地下水位が高い砂質地盤で発生します。
3:設問通りです。
床付け(とこづけ)は、地業工事を行うため、地盤面を水平に掘り揃えることです。床付け面を基準に砕石、捨てコンクリート工事を行い、そこから墨出し等行います。
4:誤りです。
ヒービングは、山留めを設け地盤を根切りしたとき、根切りした地盤面が膨れ上がる(盛り上がる)現象です。
ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させるのは、砂質地盤におけるボイリング発生防止の対策です。粘性土地盤で発生するヒービングの発生防止には有効ではありません。
ヒービング発生抑制には下記4点が有効です。
①根切り底面以深の地盤を改良して強度を高める。
②根切り底面と元の地盤面との落差を少なくする。(元の地盤をすき取り、荷重を減らす)
③山留めを強固な地盤まで伸ばす。
④元の地盤に作用する荷重を減らす。(隣接建物の影響が大きいなら、アンダーピニングを行うなど)
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02
以下に解説します。
誤り。
ヒービングは、軟弱な粘性地盤を掘削する際に、山留壁裏側の土壌が回り込んできて掘削底が盛り上がる現象です。
対策方法は、掘削地盤の地盤改良となります。
ウェルポイントでの地下水位を低下させる方法は、ボイリング対策となります。
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03
土工事の工法は似た名称・響きのものが多いので、言葉だけで覚えるのではなく施工状況をイメージできるようにしましょう。
設問の通りです。
掘削時、その敷地の被圧水位が高い場合に掘削床に被圧水槽からの圧力がかかり、掘削床から水が上がってこようとするボイリングが発生します。それを防ぐ為に、深い井戸を掘って水中ポンプで排水することで水圧を下げる工法をディープウェルと呼びます。
設問の通りです。
ボイリングとは、地盤が砂質土でかつ掘削床が周囲の地下水位より低いときに床付面の土が沸騰するように吹き上がる現象をいいます。選択肢1と同様にディープウェル工法にて解決することができます。
設問の通りです。
地盤が凍結した状態で次工事に進むと、時間がたってから土の凍結が溶けた際に地盤沈下等の不具合が発生するおそれがあるため良質土と置換する必要があります。
誤りです。
ヒービングは軟弱地盤の敷地で掘削した際に、土が膨れ上がってくる現象で盤ぶくれともいいます。対策としては地盤改良が適切で、ウェルポイントは地下水位を下げる際の工法になります。
・地下水位を下げる
⇒ディープウェル 深い穴を掘り排水
ウェルポイント 浅めの穴を掘り排水
・軟弱地盤
⇒地盤改良
ボイリング、ヒービング(盤ぶくれ)、地盤沈下、不動沈下、液状化現象など地盤の不良についてイメージを明確にして情報を整理しましょう。
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