1級建築施工管理技士 過去問
令和3年(2021年)
問11 (午前 問11)
問題文
金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
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問題
1級建築施工管理技士試験 令和3年(2021年) 問11(午前 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
- 黄銅( 真ちゅう )は、銅と、亜鉛の合金であり、亜鉛が30〜40%のものである。
- 鉛は、鋼材に比べ熱伝導率が低く、線膨張係数は大きい。
- ステンレス鋼のSUS430は、SUS304に比べ磁性が弱い。
- アルミニウムは、鋼材に比べ密度及びヤング係数が約1/3である。
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この過去問の解説 (3件)
01
建築材料の分野では、金属材料と防水材料がほぼ毎年出題されています。
次に多いのが、塗料と左官材が1年おきに交互に出題、
内装材と建具も交互に出題される傾向にあります。
この分野は覚えるしか方法がありませんが、なかなか多くて大変です。
過去問を解く時に関連する周辺について確認しましょう。
【〇】
黄銅=銅+亜鉛であることは誰で知っています。代表的な合金の一つです。
亜鉛を20%以上含むものが黄銅ですが、一般的には30~40%がほとんどです。
加工性が良いので建築資材ではインテリア用品に利用されます。
身近なところでは5円硬貨は黄銅です。
【〇】
・鋼材の熱伝導率は約54です。
主要金属で鋼材より熱伝導率が低いのは、鉛=35、チタン=17のみ。
・鋼材の線膨張率は約11です。
主要金属で鋼材より線膨張率が小さいのは、チタン=9のみ。
(参考)ヤング係数は鋼材がニッケルとともに最大です。
【✕】
ステンレス鋼は鉄とクロムの合金のなかで、鉄が50%以上、クロムが11%以上ものです。
・SUS430は鉄+クロムの合金。フェライト系で安価、磁性あり。
・SUS304は鉄+クロム+ニッケルの合金。オーステナイト系で高価、高品質、非磁性。
(参考)400番台は安価なフェライト系、300番台は高価なオーステナイト系。
もっとも流通しているのはSUS304、更に耐食性を高めたものがSUS316。
【〇】
・鋼材の密度は7.85、ヤング係数は206
・アルミニウムの密度は2.7、ヤング係数は70
試験対策では鋼材を中心に大小で整理すると分かりやすい。
出題される金属は建材に使用されるものが中心であるため、
銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、チタンの主な特性を覚えておきましょう。
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02
金属材料の種類も多いので問題に惑わされずに解答を導きましょう。
この解答が『 〇 』です。
SUS304は磁性を持ちません。SUS430は磁性を持っています。
ステンレスの種類も多数あるので、種類ごとに間違わないように覚えましょう。
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03
材料の特性を覚えておくのがポイントとなります。特性を抑えるにあたり、指標となる値が出てきますので、指標の意味と数字をしっかりと抑えておく必要があります。
黄銅とは銅と亜鉛の合金で、亜鉛が20%以上の割合のものを指します。銅65%、亜鉛35%程度のものが一般的なものとなっています。よって回答は〇になります。
鉛の熱伝導率は35W/mK、線膨張係数は29.3×10-6/℃です。鋼材は54W/mK、線膨張係数は11×10-6/℃です。よって回答は〇になります。
磁性をもっていないステンレス鋼はオーステナイト系でSUS304,SUS303,SUS316がこれに該当します。他のステンレス鋼(フェライト系やマルテンサイト系)は磁性をもっています。よって回答は×になります。
ヤング係数とは、物体の変形のし易さ(し難さ)を測るための指標です。ヤング係数が大きくなると一定の力を超えるまでは変形することがありません。ただし一定の力を超えると一気に破損します。逆にヤング係数が小さいと柔らかく、伸びやすい材料ということになります。アルミニウムは鋼材に比べて柔らかく、伸びやすいためヤング係数は小さくなっています。よって回答は〇になります。
施工の基準となるような建材が多く出題されます。他の材料との違いや比較を抑えておくようにしましょう。
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