1級建築施工管理技士の過去問
令和4年(2022年)
午前 イ 問5

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 令和4年(2022年) 午前 イ 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

木質構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 同一の接合部にボルトと釘を併用する場合の許容耐力は、両者を加算することができる。
  • 2階建ての建築物における隅柱は、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合、通し柱としなくてもよい。
  • 燃えしろ設計は、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証するものである。
  • 直交集成板(CLT)の弾性係数、基準強度は、強軸方向であっても、一般的な製材、集成材等の繊維方向の値と比べて小さくなっている。

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この過去問の解説 (1件)

01

木構造に関してはH30年から隔年で出題されるようになりました。

在来工法と壁式工法について部材名称と役割を理解しておきましょう。

選択肢1. 同一の接合部にボルトと釘を併用する場合の許容耐力は、両者を加算することができる。

【✕】

ボルトと釘は同じタイミングで耐力を発揮しないので加算することは出来ません。

補完し合うような関係にならないからです。

釘は最初から耐力を発揮していますが、ボルト接合では材が少し滑ってボルト軸にせん断力が働いた状態にならないと体力を発揮しないからです。

ボルトが効き始めるタイミングでは釘は既に降伏している可能性もあります。

選択肢2. 2階建ての建築物における隅柱は、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合、通し柱としなくてもよい。

【〇】

2階建ての隅柱は通り柱とするのが原則です。

ただし、接合部を通り柱と同等以上の耐力とすれば、合わせて通り柱とみなすことが出来ます。

選択肢3. 燃えしろ設計は、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証するものである。

【〇】

・もえしろ設計とは、火災時に表面が炭化して燃焼が進まなくなる性質を考慮し、

必要な断面積にもえしろ寸法を加算して設計する方法です。

※設計断面からもえしろ寸法を控除した断面が構造上の必要な断面となります。

・短期許容応力度>長期許容応力度

・短期許容応力度✖2/3=長期許容応力度

選択肢4. 直交集成板(CLT)の弾性係数、基準強度は、強軸方向であっても、一般的な製材、集成材等の繊維方向の値と比べて小さくなっている。

【〇】

・構造用集成材:ひき板を繊維方向と同じ方向に集成接着したもので、

弾性係数や基準強度は一般的な製材と同等以上です。

・直交集成材(CLT):ひき板を繊維方向が直交するように積層接着したもので、

繊維方向の弾性係数や基準強度は一般的な製材より劣ります。

まとめ

大型の木造建築が増える傾向にあり、1級建築施工管理技士の試験でも重要度が高まる可能性があります。

また木造は燃えやすい欠点があることも頭に入れて試験対策をすることが大切です。

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