1級建築施工管理技士 過去問
令和5年(2023年)
問3 (午前 イ 問3)

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 令和5年(2023年) 問3(午前 イ 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

吸音及び遮音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。
  • 多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。
  • 単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。
  • 室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。

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この過去問の解説 (3件)

01

音に関する出題です。

選択肢1. 吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。

設問の通りです。遮音材は入射音に対して透過する音が小さく、吸音材は入射する音に対して反射する音が小さくなります。

選択肢2. 多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。

設問の通りです。多孔質の吸音材(グラスウール)は、一般に低音域より高音域の吸音に効果があります。

選択肢3. 単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。

誤りです。

質量則により、面密度が大きいほど、音響透過損失は大きくなります。

選択肢4. 室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。

音源室と受音室の音圧レベル差を測定し、D値で評価します。D値が大きいほど遮音性能は高くなります。

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02

吸音及び遮音に関する記述について、最も不適当なものを選ぶ問題の解説を行います。

選択肢1. 吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。

吸音材は音を吸収するために音響透過率が高く、遮音性能は一般的に低いです。この記述は適当です。

選択肢2. 多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。

多孔質の吸音材は、高音域の吸音に効果があり、低音域の吸音にはあまり効果がありません。この記述は適当です。

選択肢3. 単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。

単層壁では、面密度が大きいほど音響透過損失は大きくなり、遮音性能が向上します。つまり、面密度が大きいほど音が通りにくくなるため、音響透過損失は大きくなります。この記述は誤りです。

 

選択肢4. 室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。

室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能が高いことを示します。この記述は適当です。

まとめ

この問題では、単層壁において、面密度が大きいほど音響透過損失は小さくなるとしていますが、実際には面密度が大きいほど音響透過損失は大きくなり、遮音性能が向上します。他の選択肢は吸音及び遮音に関する適切な内容となっています。

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03

音に関する問題に関しては、用語の定義をよく理解する必要があります。本問題の吸音及び遮音の分野に関しても、用語の定義をよく確認した上で解きましょう。では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。

吸音材とは、空気伝搬音の振動を熱エネルギーに変えることにより音を減衰させる素材です。また、吸音材に関しては、防音効果が低いです。吸音材の効果を最大限に発揮するためには、遮音材などと組み合わせる必要があります。このことからも、吸音材は遮音性能が高いとはいえず、設問の記述は適当であるといえます。

選択肢2. 多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。

一般的に、低音域の音を排除することは、極めて困難であると言われています。このことを念頭においた上で問題を解くと良いでしょう。設問にある多孔質の吸音材に関しても、低音域より高音域の吸音に効果があります。

選択肢3. 単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。

この設問に関しては、あきらかに誤りです。基本的に、どのような壁でも、面密度が大きいほど、音を通しにくくなります。音響透過損失は、読んで字のごとく、音が損失することです。面密度が大きいほど、音響透過損失は大きくなります。小さくはなりません。

選択肢4. 室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。

D値とは、隣り合う部屋同士の遮音性能を評価するための指標です。この値が大きいほど、遮音性能が高いといえます。設問に関しては正しい記述です。

まとめ

吸音及び遮音に関して、用語の定義をよく確認することが重要です。音響透過損失や音響透過率など、音が透過するのか透過しないのか紛らわしい用語もありますので、よく注意するようにしましょう。

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