1級建築施工管理技士 過去問
令和5年(2023年)
問6 (午前 イ 問6)
問題文
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
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問題
1級 建築施工管理技術検定試験 令和5年(2023年) 問6(午前 イ 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。
- H形鋼は、フランジやウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じにくい。
- シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鉄骨梁は、上端圧縮となる曲げ応力に対して横座屈を生じにくい。
- 部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合のほうが大きい。
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この過去問の解説 (3件)
01
鉄骨構造に関する出題です。
角形鋼管柱の内ダイアフラムは、柱内部の梁の上下のフランジ位置にダイアフラムを入れる形式です。せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられます。
誤りです。
幅厚比が大きくなると、幅に対して板厚が薄くなってしまうので、局部座屈が生じやすくなります。
シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鉄骨梁を合成梁といいます。合成梁は上端圧縮となる曲げ応力に対して横座屈を生じにくい構造です。
高力ボルト摩擦接合は、伝達面積が広いので、ボルト孔周辺に生じる応力集中が少なくなります。部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合のほうが大きくなります。
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02
鉄骨構造に関する記述について、最も不適当なものを選ぶ問題の解説を行います。
角形鋼管柱の内ダイアフラムは、異なるせいの梁を接続する場合などで適切に用いられます。この記述は適当です。
フランジやウェブの幅厚比が大きくなると、局部座屈が生じやすくなります。従って、この記述は誤りです。
シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鉄骨梁は、上端圧縮時にコンクリートスラブによる拘束効果があり、横座屈が生じにくくなります。この記述は適当です。
高力ボルト摩擦接合は摩擦力による接合で、応力集中が少ないです。普通ボルト接合は剪断力で接合するため、ボルト孔周辺に応力集中が大きくなります。この記述は適当です。
この問題では、フランジやウェブの幅厚比が大きくなると、局部座屈が生じにくいという記述は誤りです。他の選択肢は鉄骨構造の一般的な知識に基づいて適切な内容となっています。
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03
鉄骨構造の分野に関しては、施工の分野とは違った問題が出題されます。難しい問題が多いですが、基本的な部分は押さえておきましょう。では、問題を見てみましょう。
角形鋼管柱の内ダイアフラムは、柱の中に厚い鉄板が入っているというイメージを持ってもらえれば、わかりやすいかもしれません。これは、柱を補強する目的で使用されるものです。せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合でも、補強が入っていれば安心ですね。設問の記述は適当です。
幅厚比という単語の意味を、しっかりと押さえておきましょう。幅厚比は、端的に言えば「幅/厚」のことです。つまり、幅厚比が大きくなるということは、鋼材の幅が大きくなり、厚みが薄くなるということです。こうなると、鋼材の強度が低くなり、局部座屈を生じやすくなります。設問の記述は全くの誤りです。この問題は、必ず押さえておきましょう。
設問の記述は適当です。ちなみに、シヤコネクタでよく使われるのは、「頭付きスタッド」です。併せて覚えましょう。
設問の記述は適当です。普通ボルト接合は、高力ボルトのような摩擦接合ではなく、ボルトだけで接合するものになります。よって、引張力がかかった際、ボルト孔周辺に応力が集中します。摩擦接合と比べて、ボルトが破断しやすい接合となります。
今回の問題に関しては、基本的なことばかりです。鉄骨構造は難しい分野ではありますが、本問題に関しては、全て押さえておきましょう。
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