大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問20 (世界史B(第3問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問20(世界史B(第3問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の人々の交流や社会の変化について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。

あるクラスで、オセアニアの先住民についての授業が行われている。

先生:世界史の教科書に登場する先住民の名称を、覚えていますか。
小野:オーストラリアに関する授業で、( オ )という先住民がいると習いました。
先生:そうですね。その名称の由来について、考えてみましょう。( オ )は「土着のもの」を意味する英語に由来していて、オーストラリアへの入植者が、現地の先住民を指して用いるようになりました。つまり、先住民の言語に由来するのではなく、入植者が一方的に用いた呼称であり、人種差別的な意味合いで用いられることもありました。現在のオーストラリアでは、そうした過去の歴史を反省して、別の名称を用いることが望ましいとされています。
本田:他の国では、先住民の言語に由来する名称が用いられているのですか。
先生:ニュージーランドの先住民は、入植者との関係のなかで自称として用いられるようになった( カ )という名称で知られています。先住民は入植者を指して、「白人」を意味するパケハという呼称を用いました。現在のニュージーランドでも、パケハは入植者やその子孫の名称として取り入れられています。
小野:先住民の名称には、教科書に書かれていないいろいろな歴史があるのですね。
先生:では、これまでに学んできたことと合わせて、授業の内容をメモにまとめてください。

前の文章中の空欄(オ)と(カ)に入れる語の組合せとして正しいものを、次のうちから一つ選べ。
  • オ ― ロマ       カ ― アボリジニー
  • オ ― ロマ       カ ― マオリ
  • オ ― アボリジニー   カ ― ロマ
  • オ ― アボリジニー   カ ― マオリ
  • オ ― マオリ      カ ― ロマ
  • オ ― マオリ      カ ― アボリジニー

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、オーストラリアとニュージーランドの先住民の名称の由来と使われ方について理解しているかどうかを問うものです。

 

 

文章中の空欄(オ)と(カ)に当てはまる先住民の名称を適切に選ぶために、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

 

【空欄(オ)について(オーストラリアの先住民)】

・「土着のもの」を意味する英語に由来しており、先住民自身の言語ではなく、入植者が用いた呼称

・人種差別的に使われることもあった

→この説明に当てはまるのは、アボリジニー(Aborigine)です。

英語の「aboriginal(先住の)」から来ています。

オーストラリア先住民をまとめて指す言葉として使われました。

 

したがって、(オ)に入るのは アボリジニーです。

 

 

【空欄(カ)について(ニュージーランドの先住民)】

・「自称として用いられるようになった」

・「パケハ(白人)という呼称を使った」民族

→これはニュージーランドのマオリ(Māori)の特徴です

マオリは自分たちをマオリと呼び、ヨーロッパから来た入植者をパケハと呼びました。

 

したがって、(カ)に入るのは マオリです。

 

 

 

その他の選択肢について補足

ロマはヨーロッパ各地に住む移動型の民族で、いわゆる「ジプシー」と呼ばれてきた人々に関係します。

オセアニアとは関係がありません。

選択肢1. オ ― ロマ       カ ― アボリジニー

誤りです。

選択肢2. オ ― ロマ       カ ― マオリ

誤りです。

選択肢3. オ ― アボリジニー   カ ― ロマ

誤りです。

選択肢4. オ ― アボリジニー   カ ― マオリ

正しいです。

選択肢5. オ ― マオリ      カ ― ロマ

誤りです。

選択肢6. オ ― マオリ      カ ― アボリジニー

誤りです。

まとめ

オーストラリアの先住民には「アボリジニー」という英語由来の呼称が使われ、
ニュージーランドの先住民は自称として「マオリ」と名乗ってきました。
 

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