大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問26 (世界史B(第4問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問26(世界史B(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

歴史上の出来事や人物に対しては、異なる解釈や評価が生じることがある。歴史評価の多様性に関わる次の文章を読み、後の問いに答えよ。

あるクラスで、次の絵画を基に、先生と生徒たちが話し合っている。

先生:これは、ロシアの君主( ア )とその皇子とを題材にした絵画です。
高山:手前の男性の頭部から血が流れているように見えますが。
先生:( ア )が怒りに我を忘れて息子を撲殺してしまった後、正気に戻り、後悔している情景を表しているそうです。
阿部:怖い絵ですね。実際の出来事なんですか。
先生:そのようです。こうした事件もあったため、彼はロシアで初めて正式にツァーリ(皇帝)を称したものの、その功績についてはロシアでも評価が割れています。また、強烈な個性から「雷帝」とも呼ばれています。
小泉:同一人物へのそのような評価の違いは、他の地域でも見られるのですか。
先生:有名なのは、( イ )でしょう。明を建国した彼については、対照的な肖像画が複数残されています。教科書や資料集にも載っていますね。
小泉:確かに全く印象が違います。
先生:ここで改めて( ア )の話に戻ると、彼については、ソ連の映画監督エイゼンシュテインが長編映画を製作し、賞賛を受けました。そのエイゼンシュテインは1938年、13世紀にドイツ騎士団を撃退したアレクサンドル=ネフスキーをロシア史上の英雄として称える映画を完成させましたが、d この映画は1939年から41年までソ連で上映が禁止されることになりました。( ア )を扱った映画でも、その続編では( ア )の描き方の変化を理由に、エイゼンシュテインは時の指導者スターリンの逆鱗(げきりん)に触れました。そこには、ロシア史上の権力者に対する評価の違いが反映されていたのです。

前の文章中の空欄(ア)の人物の治世に、ロシアで起こった出来事について述べた文として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • ステンカ=ラージンの反乱が起こった。
  • ギリシア正教が国教化された。
  • キプチャク=ハン国に服属した。
  • イェルマークの協力により、シベリアに領土が広がった。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、ロシアの歴史に登場する支配者に関する出来事を、絵画や映画を通して評価の多様性という視点から考える内容です。

 

 

 

空欄(ア)に入るのは、イヴァン4世(イヴァン雷帝)です。

絵画に描かれているのは、「雷帝」と呼ばれたロシアの君主 イヴァン4世(イヴァン雷帝) とその息子です。

彼はロシアで初めて正式に「ツァーリ(皇帝)」を名乗り、中央集権化を進めた一方で、暴力的な支配で知られます。

息子を自らの手で殺したという逸話も、その暴君ぶりを象徴しています。

 

空欄(イ)には、明の建国者「朱元璋(洪武帝)」が入ります。

こちらも善政と暴政の評価が分かれる人物です。

 

このように歴史上の人物には功績と暴虐の両面があり、その評価は時代や立場によって変わることがあります。

選択肢1. ステンカ=ラージンの反乱が起こった。

これは17世紀のロマノフ朝の出来事で、イヴァン4世の時代ではありません。

選択肢2. ギリシア正教が国教化された。

これは10世紀、キエフ公国のウラディミル1世による政策です。

選択肢3. キプチャク=ハン国に服属した。

これは13世紀の出来事で、イヴァン4世よりも前です。

 

選択肢4. イェルマークの協力により、シベリアに領土が広がった。

これはイヴァン4世の治世中に行われた出来事です。

コサックの首領イェルマークがシベリア遠征を行い、ロシアの領土拡大が始まりました。

まとめ

イヴァン4世の時代には、イェルマークによるシベリア遠征によって、ロシアの領土が東方へと広がり始めました。

これが彼の治世の大きな特徴のひとつです。

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