大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問39 (日本史B(第1問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問39(日本史B(第1問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、高校生の陽菜(はるな)さんと大輝(だいき)さんとの会話である。この文章を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

陽菜:個人名に注目してみると、小野妹子が男性であることも面白いね。
大輝:そうそう、最初は女性だとばかり思っていた。
陽菜:天皇家の名前を見てみると、「〇子」という女性名は、嵯峨天皇の時代に一般的になってくるみたいだよ。次の図には、嵯峨天皇の娘として、「正子内親王」「秀子内親王」「芳子内親王」の名前があるね。

大輝:あっ、本当だ。じゃあ、小野妹子の場合はどうなるの?
陽菜:妹子の生きた飛鳥時代には、蘇我馬子や中臣鎌子(鎌足)など、「子」は男性名として使われていたんだ。女性の場合、「〇姫(媛(ひめ)、比売(ひめ))」、「〇郎女(いらつめ)」、「〇売(め)(女)」が一般的だったみたいだね。
大輝:この系図を見ると、c 嵯峨天皇の子どもから名前のつけ方ががらりと変わってるのが分かるね
陽菜:そうなんだ。「山部」とか「大伴」は、どれも彼らの乳母の氏、養育氏族の名称なんだ。嵯峨天皇の親王になると、良い意味を持つ共通の漢字がつけられるようになる。d 個人名のつけ方って時代や社会の変化と関わっているんだ。今だって、個人名には流行があるよね。大正時代から現在までの個人名については、「生まれ年別名前ベスト10」が公開されているんだって。
大輝:面白そうだね。今度、調べてみよう。

下線部dに関連して、大輝さんは次の表を作成した。この表から読み取れる内容に関して述べた文X・Yについて、その正誤の組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

X アメリカ・イギリスに宣戦布告し戦場が拡大すると、勝利を祈願するような名前が優勢になる。
Y 天皇の代替わりにともなう改元の影響もあり、新元号の一字を冠した名前が登場する。
問題文の画像
  • X ― 正  Y ― 正
  • X ― 正  Y ― 誤
  • X ― 誤  Y ― 正
  • X ― 誤  Y ― 誤

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、時代背景と個人名の関係について理解できているかを問うものです。

名前の流行には、戦争や元号など社会や政治の出来事が強く影響してきました。

 

 

 

まずそれぞれの文を確認します。

X アメリカ・イギリスに宣戦布告し戦場が拡大すると、勝利を祈願するような名前が優勢になる。

→この文は 正しい です。

これは、太平洋戦争が始まった昭和16年(1941年)以降の話です。

当時は「勝(まさる)」「勝子(かつこ)」などのように、戦争に勝つことを願う名前が人気になりました。

このように、戦争と結びついた願いを込めた名前が広がった時期です。

 

Y 天皇の代替わりにともなう改元の影響もあり、新元号の一字を冠した名前が登場する。

→この文も 正しい です。

実際に、元号と重なる名前はたびたび見られます。

たとえば、「昭和」時代には「昭子」や「昭一」、「平成」時代には「平」や「成」などの字を含む名前が見られました。

「令和」でも「令」や「和」が入った名前が人気となる傾向があります。

 

選択肢1. X ― 正  Y ― 正

正しいです。

選択肢2. X ― 正  Y ― 誤

誤りです。

選択肢3. X ― 誤  Y ― 正

誤りです。

選択肢4. X ― 誤  Y ― 誤

誤りです。

まとめ

名前には時代の世相や価値観が反映されることがあります。

戦争、元号改正、社会的変化は、個人名の流行に大きな影響を与えてきました。

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