大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問54 (日本史B(第4問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問54(日本史B(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次のメモは、日本史の授業を受けている高校生のユウキさんが、近世の身分と社会について調べた内容をまとめたものである。これを読んで、後の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

メモ
・近世の支配身分の人々には、将軍や大名・旗本などの武士だけではなく、公家なども含まれている。
・被支配身分の人々には、百姓や町人・職人以外にも様々な身分の人々が存在した。その中には、居住地や服装などで区別され、下位の身分とされた非人などもいた。
・様々な身分の人々は、百姓・町人のa 村・町などのように、独自の構造を持つ集団や組織を形成していた。宗教やb 芸能に携わる人々も同様に集団や組織をつくることがあった。
・非人は、江戸の場合、河岸や寺院の境内などに小屋をかけて住んだ。小屋を管理する大勢の小屋頭を4人の非人頭が統轄していた。
・江戸の非人は、牢屋の管理、堀や川の不浄物の片付け等、組織を通じ、幕府に対して様々な役を担った。その一方で、物乞いをしたり、芸能に携わったりしていた。
c 近世後期になると、村・町などの集団・組織を通じた支配が動揺したd 都市では、組織に属さない「野非人」と呼ばれる人々も増加し、その取締りが社会問題となった。

ユウキさんは次に、下線部dに関連して、1836年に江戸の町奉行所が、配下の者に提出させた報告書を読んだ。次の史料3はその一部である。史料3と幕府の政策に関して述べた後の文a~dについて、最も適当なものの組合せを、後のうちから一つ選べ。

史料3
一、御当地場末(注1)の町家に住居候其(その)日稼ぎの者ども、給(たべ)続けも相成り兼ね、其上店賃(たなちん)(注2)等相払い候儀も致し難く、余儀なく店(たな)仕舞い無宿に成り、野非人同様物貰(ものもら)い致し居り候者も多分これある由。
(中略)
右の通り御座候て、御当地非人頭ども、日々(中略)狩り込み、手下に致し候(注3)ても(中略)働き方難儀につき居付き申さず、立ち出(注4)、元の如く野非人に打ち交り居り候ゆえ、野非人ども多く相成り候。
(「野非人之儀ニ付風聞書」旧幕府引継書)

(注1)場末:町はずれ。
(注2)店賃:借家の家賃。
(注3)狩り込み、手下に致し候:捕まえて、非人頭の配下に置くこと。
(注4)立ち出:立ち去る。

a 史料3によれば、江戸の場末の町家には、物乞(ものご)いをするその日稼ぎの人々が多数住んでいたと考えられる。
b 史料3によれば、幕府には、江戸の非人組織を通じて、無宿となった人々を捕まえ、野非人を減らそうとする意図があったと考えられる。
c 幕府はこの後、改革を行い、石川島に人足寄場を新設して、無宿人を収容した。
d 幕府はこの後、改革を行い、江戸へ流入した人々を帰郷させる人返しの法(人返し令)を出した。
  • a・c
  • a・d
  • b・c
  • b・d

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