大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問55 (日本史B(第4問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問55(日本史B(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次のメモは、日本史の授業を受けている高校生のユウキさんが、近世の身分と社会について調べた内容をまとめたものである。これを読んで、後の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

メモ
・近世の支配身分の人々には、将軍や大名・旗本などの武士だけではなく、公家なども含まれている。
・被支配身分の人々には、百姓や町人・職人以外にも様々な身分の人々が存在した。その中には、居住地や服装などで区別され、下位の身分とされた非人などもいた。
・様々な身分の人々は、百姓・町人のa 村・町などのように、独自の構造を持つ集団や組織を形成していた。宗教やb 芸能に携わる人々も同様に集団や組織をつくることがあった。
・非人は、江戸の場合、河岸や寺院の境内などに小屋をかけて住んだ。小屋を管理する大勢の小屋頭を4人の非人頭が統轄していた。
・江戸の非人は、牢屋の管理、堀や川の不浄物の片付け等、組織を通じ、幕府に対して様々な役を担った。その一方で、物乞いをしたり、芸能に携わったりしていた。
c 近世後期になると、村・町などの集団・組織を通じた支配が動揺したd 都市では、組織に属さない「野非人」と呼ばれる人々も増加し、その取締りが社会問題となった。

授業では最後に、生徒たちが話し合って、学習内容を整理した。近世の身分と社会に関して述べた文として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
  • 将軍に拝謁できる者とできない者など、武士身分の中にも区別が見られたと考えられる。
  • 大工や鋳物師などの職人は、村への居住を禁じられ、町に住むことが強制されていたと考えられる。
  • 近世の百姓は、農業に従事する人々であり、林業や漁業に携わることはなかったと考えられる。
  • 牛馬の死体処理や皮革製造に従事する人々が、農業や商業に携わることはなかったと考えられる。

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この過去問の解説 (1件)

01

近世の身分と職業、居住地は密接に関係していることをしっかり把握しておきましょう。

選択肢1. 将軍に拝謁できる者とできない者など、武士身分の中にも区別が見られたと考えられる。

正しいです。

武士の中でも将軍に謁見できるのは旗本、謁見できない階級の武士は御家人と呼ばれていました。

選択肢2. 大工や鋳物師などの職人は、村への居住を禁じられ、町に住むことが強制されていたと考えられる。

誤りです。

職人は城下町や門前町などの都市部に住むことが多かったのですが、村に居住を禁じられていたわけではありません。

 

選択肢3. 近世の百姓は、農業に従事する人々であり、林業や漁業に携わることはなかったと考えられる。

誤りです。

作間稼(さくまかせぎ)といい、農閑期に副業を行うことを表す言葉もあります。江戸時代の農民は困窮する人々が多く、副業として農業以外の職業に従事していました。

選択肢4. 牛馬の死体処理や皮革製造に従事する人々が、農業や商業に携わることはなかったと考えられる。

誤りです。

被差別身分の人々に関する歴史的史料は少なく、彼らが農業や商業に携わっていなかったと断言することはできません。

まとめ

正解に近い選択肢もあり迷いますが、より確実に正解だと分かる選択肢を選びましょう。

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