大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問24 (世界史B(第5問) 問4)
問題文
B ポリュビオス(ポリビオス)は、ローマの興隆を「史上かつてない大事件」と捉え、ポエニ戦争を出発点として『歴史』を著した。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)
その冒頭部分で彼は、ローマの権勢と比較すべき対象として、「これまでの歴史家たちが最大の精力を傾けて記録にとどめた過去の大国のうちでも、とりわけ史上に名高い国々」を、時系列に沿って三つ挙げている。一つ目の国は、ギリシアとの戦争がヘロドトスの史書の主題ともなった( エ )で、この国が「ある時期に広大な帝国と支配権を手に入れた。だが無謀にもアジアの境界を越え出ては、そのたびに帝国のみならず自身の生存さえも危険にさらした」と述べる。二つ目の国はスパルタであり、「長年にわたってギリシアの覇権をめぐる争いを続けた末に、ようやく勝利を得たものの、それを無事に保持していたのは僅かにすぎなかった」とする。
そのうえでポリュビオスは、三つ目の国として( オ )を挙げて、次のように述べる。
( オ )はまずヨーロッパ内の支配領域を広げたが、これはヨーロッパ全域のほんの一部分にすぎない。その後、( エ )を滅ぼしてアジアにも覇権を拡大した結果、史上最大の地域と人口を配下に従えたと称賛されるようになったけれども、なお世界には依然手の届かない地域が多く残されていた。
ポリュビオスとは異なる言語で史書を著したリウィウスも、ローマ興隆の契機をポエニ戦争とみなし、これまでの戦争の中で最も記憶すべきものと述べて史書の一部を割く。ただし、リウィウスは、a ローマ王政期を史書の出発点とし、イタリア中心の叙述をしている。同様の執筆姿勢は、タキトゥスらにも受け継がれていく。
Bの文章を参考にしつつ、ギリシア・ローマにおける歴史叙述について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問24(世界史B(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
B ポリュビオス(ポリビオス)は、ローマの興隆を「史上かつてない大事件」と捉え、ポエニ戦争を出発点として『歴史』を著した。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)
その冒頭部分で彼は、ローマの権勢と比較すべき対象として、「これまでの歴史家たちが最大の精力を傾けて記録にとどめた過去の大国のうちでも、とりわけ史上に名高い国々」を、時系列に沿って三つ挙げている。一つ目の国は、ギリシアとの戦争がヘロドトスの史書の主題ともなった( エ )で、この国が「ある時期に広大な帝国と支配権を手に入れた。だが無謀にもアジアの境界を越え出ては、そのたびに帝国のみならず自身の生存さえも危険にさらした」と述べる。二つ目の国はスパルタであり、「長年にわたってギリシアの覇権をめぐる争いを続けた末に、ようやく勝利を得たものの、それを無事に保持していたのは僅かにすぎなかった」とする。
そのうえでポリュビオスは、三つ目の国として( オ )を挙げて、次のように述べる。
( オ )はまずヨーロッパ内の支配領域を広げたが、これはヨーロッパ全域のほんの一部分にすぎない。その後、( エ )を滅ぼしてアジアにも覇権を拡大した結果、史上最大の地域と人口を配下に従えたと称賛されるようになったけれども、なお世界には依然手の届かない地域が多く残されていた。
ポリュビオスとは異なる言語で史書を著したリウィウスも、ローマ興隆の契機をポエニ戦争とみなし、これまでの戦争の中で最も記憶すべきものと述べて史書の一部を割く。ただし、リウィウスは、a ローマ王政期を史書の出発点とし、イタリア中心の叙述をしている。同様の執筆姿勢は、タキトゥスらにも受け継がれていく。
Bの文章を参考にしつつ、ギリシア・ローマにおける歴史叙述について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- ポリュビオスは、ラテン語で史書を著した。
- リウィウスは、ポリュビオスと異なり、ローマとカルタゴとの戦争の歴史的意義を高く評価する。
- ポリュビオスは、トゥキディデス(トゥキュディデス)が史書で主題としたのと同じ戦争に言及している。
- タキトゥスは、『世界史序説』(『歴史序説』)を著した。
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