大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問95 (地理B(第5問) 問6)
問題文
リュウさんたちは高校に戻って、環境モデル都市に選定されている飯田市の取組みについて先生も交えて話し合った。先生が用意した次の図7は、日本の森林資源量の年別の数値を示したものであり、後の資料2は、リュウさんたちがまとめた森林資源の活用案である。リュウさんたちと先生との会話文中の空欄サには後の文eとfのいずれか、空欄シには資料2中のXとYのいずれかが当てはまる。空欄サとシに当てはまる文と活用案との組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
先生 「図7は、日本全体における森林資源量の年別の数値を示したものですが、飯田市でも同様の傾向がみられます。この図からどんなことが考えられますか」
リュウ 「宅地化などで森林がなくなっていると思っていたけれど、森林の資源量は増加しているんですね」
ウタ 「この要因として、( サ )によって伐採量が減少していることがあげられると思います」
先生 「飯田市は森林面積の割合が80%以上と高い値を占めていますし、これらの森林資源を活用することが重要ですね。グループで話し合い、活用案をまとめてみてください」
ミドリ 「二つの活用案を考え、資料2を作ってみました。森林資源を持続的に活用するためには、活用案( シ )の方がより有効だと思います」
先生 「今後の授業でさらに学びを深めていきましょう」
( サ )に当てはまる文
e 環境意識の高まりや新たな規制の制定で、樹木の伐採が制限されたこと
f 高齢化の進展や後継者問題などで、林業従事者が不足したこと

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問95(地理B(第5問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
リュウさんたちは高校に戻って、環境モデル都市に選定されている飯田市の取組みについて先生も交えて話し合った。先生が用意した次の図7は、日本の森林資源量の年別の数値を示したものであり、後の資料2は、リュウさんたちがまとめた森林資源の活用案である。リュウさんたちと先生との会話文中の空欄サには後の文eとfのいずれか、空欄シには資料2中のXとYのいずれかが当てはまる。空欄サとシに当てはまる文と活用案との組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
先生 「図7は、日本全体における森林資源量の年別の数値を示したものですが、飯田市でも同様の傾向がみられます。この図からどんなことが考えられますか」
リュウ 「宅地化などで森林がなくなっていると思っていたけれど、森林の資源量は増加しているんですね」
ウタ 「この要因として、( サ )によって伐採量が減少していることがあげられると思います」
先生 「飯田市は森林面積の割合が80%以上と高い値を占めていますし、これらの森林資源を活用することが重要ですね。グループで話し合い、活用案をまとめてみてください」
ミドリ 「二つの活用案を考え、資料2を作ってみました。森林資源を持続的に活用するためには、活用案( シ )の方がより有効だと思います」
先生 「今後の授業でさらに学びを深めていきましょう」
( サ )に当てはまる文
e 環境意識の高まりや新たな規制の制定で、樹木の伐採が制限されたこと
f 高齢化の進展や後継者問題などで、林業従事者が不足したこと

- サ:e シ:X
- サ:e シ:Y
- サ:f シ:X
- サ:f シ:Y
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、日本の森林資源量が増加している背景と、その森林資源を持続的に活用するための取り組みについて考えるものです。図7(日本の森林資源量の年別数値)と資料2(リュウさんたちがまとめた森林資源の活用案)を元に、空欄「サ」と「シ」に当てはまる適切な選択肢を組み合わせる問題です。
不適当です。
不適当です。
適切です。
不適当です。
【覚えておくポイント】
日本の森林資源量の増加の背景: 日本の森林は戦後に植林された人工林が多く、伐採期を迎えているにもかかわらず、林業の衰退(高齢化、後継者不足、材価低迷など)により伐採が進まず、結果的に森林の蓄積量が増加しているという現状を理解しておくことが重要です。
持続可能な森林管理: 森林を持続的に利用するためには、伐採と植林をセットで行い、森林の多面的機能(水源涵養、土砂災害防止、生物多様性保全、二酸化炭素吸収など)を維持・向上させることが不可欠です。
地域課題と地域活性化: 飯田市のような森林面積の割合が高い地域では、森林資源を地域経済の活性化や環境保全に繋げる取り組みが重要です。
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02
サはf、シはX の組合せが最も適当です。
森林資源量が増えている主な要因は、林業従事者の不足により伐採量が落ち込んだことです(f)。
また、森林を長く活用するには、間伐材や端材を燃料にできるペレットストーブの普及(X)が森林の手入れとエネルギー利用を同時に進められます。
【各項目の検討】
●文e
「環境規制で伐採が制限された」とありますが、日本では伐採自体を大幅に禁止する制度は少なく、むしろ植林後の適切な更新が課題です。
伐採減少の主要因としては弱いです。
●文f
輸入材の増加、山林の収益性低下、高齢化・後継者不足が重なり、伐採作業を担う人手が大きく減少しました。
図7の資源量増加(蓄積)が説明できます。
●活用案X(ペレットストーブ)
ペレットは間伐材や未利用材を粉砕・圧縮して作るため、森林整備とエネルギー利用が両立します。
燃焼時に排出するCO₂は成長過程で吸収した分とほぼ相殺でき、カーボンニュートラルです。
地元産材を循環させる仕組みとして持続性が高いです。
●活用案Y(ソーラーパネル設置)
設置のために樹木を伐採すれば、森林の蓄積を直接減らすことになります。
発電時のCO₂は出ないものの、森林資源を活用・維持する点では効果が小さいか逆効果です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
森林の蓄積が進む一方で、放置林が増えれば倒木や土砂災害のリスクも高まります。
林業人材の確保と木質バイオマス利用の拡大は、資源を循環させながら地域経済と環境を支える鍵になります。
ペレットストーブの導入は、飯田市の豊富な森林資源を活かし、温室効果ガス削減にも寄与する有効な施策と言えます。
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