大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問49 (日本史B(第3問) 問4)
問題文
ユウカ:中世の京都の特徴って何だろう。中世にも政治を担う権力者たちが多く住んでいたと思うんだけど、なんだか印象が薄い気がする。
キョウ:でも実際に、a 平安時代後期から鎌倉時代に政治を担った権力者たちが新しい仏教の流行に乗って平安京周辺に多くのお寺を造らせているよ。
ユウカ:中世は仏教が栄えた時代と教わったけど、中国から最先端の教えがいち早く京都に伝わったのは、権力者が深く関わっていたからかな。政治の中心であったからこそ、京都に最先端の文化が伝わったってことだね。
キョウ:いくつか本を読んでみると、京都に住む権力者たちに物資が集まったことによって、京都の経済がどんどん発達していったことが強調されているよ。
ユウカ:b 室町幕府が京都の経済活動に深く関わっていたことはよく聞くなあ。
キョウ:そういえば、経済が発達したことによってc 様々な芸術や文化が発達したと書いている本もあったよ。戦乱によって荒廃した京都が富裕な商工業者たちによって復興されたように、京都の経済活動は活発だったみたい。
ユウカ:この図1は戦国時代の京都の地図だよね。黒い丸が集まっているけど、何を示しているんだろう。
キョウ:黒い丸は、戦国時代の酒屋の位置を示していて、丸の大きさによって、酒屋が負担した税の額を表しているんだよ。大きな丸が多いから、この頃の酒屋にはたくさんの銭が集まっていたんだろうね。もしかすると、黒い丸の場所の地中にはものすごい量の銭の入った容器が眠っているかもよ。
ユウカ:史料だけではなくて、発掘調査の報告書や当時の様子を描いた絵画を見ることも、中世の京都について詳しく知るための参考になりそうだね。
下線部cに関連して、京都で花開いた芸術や文化に関して述べた文として誤っているものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問49(日本史B(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
ユウカ:中世の京都の特徴って何だろう。中世にも政治を担う権力者たちが多く住んでいたと思うんだけど、なんだか印象が薄い気がする。
キョウ:でも実際に、a 平安時代後期から鎌倉時代に政治を担った権力者たちが新しい仏教の流行に乗って平安京周辺に多くのお寺を造らせているよ。
ユウカ:中世は仏教が栄えた時代と教わったけど、中国から最先端の教えがいち早く京都に伝わったのは、権力者が深く関わっていたからかな。政治の中心であったからこそ、京都に最先端の文化が伝わったってことだね。
キョウ:いくつか本を読んでみると、京都に住む権力者たちに物資が集まったことによって、京都の経済がどんどん発達していったことが強調されているよ。
ユウカ:b 室町幕府が京都の経済活動に深く関わっていたことはよく聞くなあ。
キョウ:そういえば、経済が発達したことによってc 様々な芸術や文化が発達したと書いている本もあったよ。戦乱によって荒廃した京都が富裕な商工業者たちによって復興されたように、京都の経済活動は活発だったみたい。
ユウカ:この図1は戦国時代の京都の地図だよね。黒い丸が集まっているけど、何を示しているんだろう。
キョウ:黒い丸は、戦国時代の酒屋の位置を示していて、丸の大きさによって、酒屋が負担した税の額を表しているんだよ。大きな丸が多いから、この頃の酒屋にはたくさんの銭が集まっていたんだろうね。もしかすると、黒い丸の場所の地中にはものすごい量の銭の入った容器が眠っているかもよ。
ユウカ:史料だけではなくて、発掘調査の報告書や当時の様子を描いた絵画を見ることも、中世の京都について詳しく知るための参考になりそうだね。
下線部cに関連して、京都で花開いた芸術や文化に関して述べた文として誤っているものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

- 擬人化した動物を用いて描いた『鳥獣戯画』が作られた。
- 「道理」の展開から歴史の推移を説いた『愚管抄』が著された。
- 床の間を飾る立花様式が池坊専慶らによって大成された。
- 禅の世界を具現化した大和絵である『瓢鮎図』が描かれた。
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この過去問の解説 (1件)
01
誤っているのは、
「禅の世界を具現化した大和絵である『瓢鮎図』が描かれた。」 です。
『瓢鮎図(ひょうねんず)』は京都・相国寺の禅僧如拙が描いた水墨画(唐絵系)で、大和絵ではありません。
高山寺(京都)の絵巻で、平安末~鎌倉初期の制作とされます。
内容・制作地ともに京都文化を示し、正しいです。
慈円が比叡山で執筆した歴史書(13世紀)です。
「道理」を軸に歴史を論じており記述は正しいです。
室町後期、六角堂(頂法寺)を拠点とした池坊が立花様式を確立しました。
京都発祥で記述は正しいです。
『瓢鮎図』は如拙による水墨画で、墨一色の唐絵系技法が特徴です。
大和絵(彩色を主とする日本伝統絵画)とは異なるため誤りとなります。
中世京都では、奈良時代以来の大和絵に加え、宋文化の影響を受けた水墨画・禅画が盛んになりました。
『瓢鮎図』はその代表例であり、水墨画ならではの余白と墨の濃淡で禅の公案を描いています。
大和絵と混同しないよう注意しましょう。
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