大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問58 (日本史B(第5問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問58(日本史B(第5問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

演劇部に所属する高校生のタクさんとユキさんは、幕末から明治にかけての日本を主な舞台とした劇の台本を作成することにした。劇の構想をまとめた次のメモと、タクさんとユキさんとの会話を読み、後の問いに答えよ。なお、この問題の文中に出てくる年齢は満年齢である。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

メモ
主人公:牧野りん(1860年生まれ、1910年没)
  ※りんの父は、東北地方のある藩の藩士(明治期は士族)
  ※りんをはじめ、登場人物は架空の人物
内容:幕末から明治にかけて、時代が大きく変わるなか、りんが苦難を乗り越えながら成長する様子を描いた物語

会話
タク:面白い劇ができそうだけど、過去の時代を題材にするとなると、その時代が実際にどんな時代だったかを調べる必要があるね。
ユキ:過去の時代を題材にした演劇や映画、ドラマでは、衣装や小道具、さらに物語の設定に関して、当時の状況や、歴史的事実(史実)に照らして適切かを検討する時代考証がよく行われるようだよ。
タク:私たちの劇では、幕末から明治にかけての時代を取り扱うけれど、この時代は文化の面でも大きな変化があったから、例えばa 服装や身なりを考えてみても、時代考証をするのは大変そうだよね。
ユキ:それなら、主人公の牧野りんと同じ時代を生きた実在の人物について調べてみれば、手掛かりになるかもしれないよ。
タク:さっそく図書室で調べてみようよ。台本の作成に役立つといいね。

タクさんとユキさんは、図書室で調べるなかで、牧野りんと同じ時代を生きた実在の人物として、男女同権を求めて活動した1863年生まれの岸田(中島)俊子に注目した。次の史料は、岸田が1884年に発表した文章の一部である。この史料に関して述べた後の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

史料
男子たるものは、(中略)大抵教えを受けざるはなし。よしや(注1)教えを受けざるも、男子は世の中に奔走して弘(ひろ)く人と交(まじわ)るが故に、女子の閨閫(けいこん)(注2)の中にとじこもりて、人交りも得(え)せぬ様に(注3)せられぬるものとは、其(そ)の知識の進みも大なる差異(たがい)あらねばならぬ訳なるべし。然(さ)ればむかしより、男子のすぐれたるもの女子よりも多かるの理は、教うると教えざるとの差(たが)い、又世に交ることの広きと狭きとに依(よ)るものにて、自然に得たる精神力に於(おい)て差異あるものにははべらぬぞかし。
(『自由燈(じゆうのともしび)』9号)

(注1)よしや:たとえ。
(注2)閨閫:部屋。
(注3)得せぬ様に:できないように。

X  史料によれば、岸田俊子は、男性と女性との知識の差は、教育や人的交流の機会の差によって生じたものだと述べている。
Y  史料が書かれた当時の女性は、小学校で国定教科書に基づく義務教育を受けていた。
  • X:正  Y:正
  • X:正  Y:誤
  • X:誤  Y:正
  • X:誤  Y:誤

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