大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問59 (日本史B(第5問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問59(日本史B(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

演劇部に所属する高校生のタクさんとユキさんは、幕末から明治にかけての日本を主な舞台とした劇の台本を作成することにした。劇の構想をまとめた次のメモと、タクさんとユキさんとの会話を読み、後の問いに答えよ。なお、この問題の文中に出てくる年齢は満年齢である。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

メモ
主人公:牧野りん(1860年生まれ、1910年没)
  ※りんの父は、東北地方のある藩の藩士(明治期は士族)
  ※りんをはじめ、登場人物は架空の人物
内容:幕末から明治にかけて、時代が大きく変わるなか、りんが苦難を乗り越えながら成長する様子を描いた物語

会話
タク:面白い劇ができそうだけど、過去の時代を題材にするとなると、その時代が実際にどんな時代だったかを調べる必要があるね。
ユキ:過去の時代を題材にした演劇や映画、ドラマでは、衣装や小道具、さらに物語の設定に関して、当時の状況や、歴史的事実(史実)に照らして適切かを検討する時代考証がよく行われるようだよ。
タク:私たちの劇では、幕末から明治にかけての時代を取り扱うけれど、この時代は文化の面でも大きな変化があったから、例えばa 服装や身なりを考えてみても、時代考証をするのは大変そうだよね。
ユキ:それなら、主人公の牧野りんと同じ時代を生きた実在の人物について調べてみれば、手掛かりになるかもしれないよ。
タク:さっそく図書室で調べてみようよ。台本の作成に役立つといいね。

タクさんとユキさんは、図書室で調べるなかで、牧野りんと同じ時代を生きた実在の人物として、男女同権を求めて活動した1863年生まれの岸田(中島)俊子に注目した。タクさんとユキさんは、図書室で調べた岸田俊子の生涯を参考に、牧野りんの生涯を次のように設定した。その上で、同じ演劇部員のカイさんとともに時代考証を行うことにした。次の生涯の設定を読み、3人の時代考証に関する発言の下線部について述べた文として正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

生涯の設定(時代考証前の文章で、史実に照らして修正すべき点がある。)
明治になり、りんの父は屯田兵として、りんたちを連れて札幌近郊に移住した。しかし病におかされ、りんが16歳の時に亡くなる。その後、りんは親族をたよって東京に移り、自由民権運動に携わった。20歳の時に、りんは自由民権運動を通じて知り合った憲政党の男性と結婚し、21歳から8年間、夫とともにドイツで暮らした。欧米で展開されていた女性の権利拡大の運動に感銘を受けたりんは、帰国後、女子教育の発展に生涯をささげた。

発言
タク:設定上、りんの父が屯田兵となっているけど、史実として、りんの父が亡くなる前に屯田兵に応募できたのは平民だけだよね。この設定は修正したほうがいいと思う。
ユキ:史実として、憲政党の結成は、りんが設定上で結婚した年よりも後のことだよね。この設定は修正したほうがいいと思う。
カイ:設定上で、りんがドイツに滞在していた期間に、史実として、明治政府の要人がドイツで憲法調査を行っているよね。劇の背景に、こうした日本とドイツとの関係を追加できるね。
  • 3人とも正しい。
  • 3人とも間違っている。
  • ユキさんのみ正しい。
  • タクさんのみ間違っている。

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