大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問41 (日本史B(第2問) 問2)
問題文
アキ:奈良にある平城宮の跡から、こんな木簡(写真1)が見つかっているよ。調べてみると、食品の支給に関するものらしい。
カズ:「飯」はご飯のことだろうね。どんなa 調理の道具を使っていたのかな。それにしても、「飯」「塩」って言葉を見ると、おにぎりを食べたくなるね。
アキ:「五斗」「一百顆(か)」っていう分量を調べてみると、塩の方が多すぎて、おにぎりを作るにはしょっぱすぎるようだよ。この塩は、すぐに使いきるためのものではないんだろうね。
カズ:平城宮では、多量の塩がやり取りされていたんだね。塩は、全国から集められたものだと考えられるけど、b 国家による塩の徴収について、もっと調べてみたいな。
アキ:この木簡には、「真濱女(まはまめ)」「板野」という人名も書かれている。どちらも女性で、「板野」が上司だったみたい。この女性たちは、食品を管理する立場で活躍していたんだろ
うね。食べ物ばかりじゃなく、c 古代の女性の服装も気になってきたな。
下線部bに関連して、次の史料1・表1を踏まえ、8世紀における調という税目の塩の納入に関する後の文a~dについて、正しいものの組合せを、後のうちから一つ選べ。
史料1
凡(およ)そ調の絹・絁(あしぎぬ)(注)・糸・綿・布は、ならびに郷土の所出(しょしゅつ)に随(したが)えよ。(中略)もし雑物輸(いだ)さば、(中略)塩は三斗。
(養老令)
(注)絁:絹製品の一種。
a 令に規定された量で実際に納入されていた。
b 口分田の支給対象である男女が負担していた。
c 海に面した国から納入されていた。
d 都より東側の国からは納入されなかった。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問41(日本史B(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
アキ:奈良にある平城宮の跡から、こんな木簡(写真1)が見つかっているよ。調べてみると、食品の支給に関するものらしい。
カズ:「飯」はご飯のことだろうね。どんなa 調理の道具を使っていたのかな。それにしても、「飯」「塩」って言葉を見ると、おにぎりを食べたくなるね。
アキ:「五斗」「一百顆(か)」っていう分量を調べてみると、塩の方が多すぎて、おにぎりを作るにはしょっぱすぎるようだよ。この塩は、すぐに使いきるためのものではないんだろうね。
カズ:平城宮では、多量の塩がやり取りされていたんだね。塩は、全国から集められたものだと考えられるけど、b 国家による塩の徴収について、もっと調べてみたいな。
アキ:この木簡には、「真濱女(まはまめ)」「板野」という人名も書かれている。どちらも女性で、「板野」が上司だったみたい。この女性たちは、食品を管理する立場で活躍していたんだろ
うね。食べ物ばかりじゃなく、c 古代の女性の服装も気になってきたな。
下線部bに関連して、次の史料1・表1を踏まえ、8世紀における調という税目の塩の納入に関する後の文a~dについて、正しいものの組合せを、後のうちから一つ選べ。
史料1
凡(およ)そ調の絹・絁(あしぎぬ)(注)・糸・綿・布は、ならびに郷土の所出(しょしゅつ)に随(したが)えよ。(中略)もし雑物輸(いだ)さば、(中略)塩は三斗。
(養老令)
(注)絁:絹製品の一種。
a 令に規定された量で実際に納入されていた。
b 口分田の支給対象である男女が負担していた。
c 海に面した国から納入されていた。
d 都より東側の国からは納入されなかった。

- a・c
- a・d
- b・c
- b・d
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この過去問の解説 (1件)
01
正しい組み合わせは 「a・c」 です。
表1に載る実際の納入量は令の規定「塩三斗」と一致し(a)、 塩を納めた国はいずれも海に面した若狭・尾張・紀伊・淡路・備前などであることから(c)、この二つが適当です。
【各選択肢の検討】
a 令に規定された量で実際に納入されていた。
養老令は雑物として塩を納める際の標準量を「三斗」と定めています。
表1のすべての事例が「三斗」であり、規定と一致します。
→正しい
b 口分田の支給対象である男女が負担していた。
調・庸の負担義務は成人男性が原則で、女性は免除でした。
→誤り
c 海に面した国から納入されていた。
若狭・尾張・紀伊・淡路・備前はいずれも海岸に立地し、製塩が盛んな地域です。
→正しい
d 都より東側の国からは納入されなかった。
尾張国(現在の愛知県西部)は都(奈良)より東側に位置し、表1に例があります。
→誤り
正しい組み合わせです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
8世紀の調として納められた塩は、律令の規定どおり三斗ずつ、もっぱら製塩が可能な海沿いの諸国から供給されていました。
負担者は成人男性に限られ、東国の一部も納入に参加しています。
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