大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問42 (日本史B(第2問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問42(日本史B(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、日本古代の食物について高校生のアキさんとカズさんが交わした会話である。この文章を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところがある。)

アキ:奈良にある平城宮の跡から、こんな木簡(写真1)が見つかっているよ。調べてみると、食品の支給に関するものらしい。
カズ:「飯」はご飯のことだろうね。どんなa 調理の道具を使っていたのかな。それにしても、「飯」「塩」って言葉を見ると、おにぎりを食べたくなるね。
アキ:「五斗」「一百顆(か)」っていう分量を調べてみると、塩の方が多すぎて、おにぎりを作るにはしょっぱすぎるようだよ。この塩は、すぐに使いきるためのものではないんだろうね。
カズ:平城宮では、多量の塩がやり取りされていたんだね。塩は、全国から集められたものだと考えられるけど、b 国家による塩の徴収について、もっと調べてみたいな。
アキ:この木簡には、「真濱女(まはまめ)」「板野」という人名も書かれている。どちらも女性で、「板野」が上司だったみたい。この女性たちは、食品を管理する立場で活躍していたんだろ
うね。食べ物ばかりじゃなく、c 古代の女性の服装も気になってきたな。

下線部cに関する次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後のうちから一つ選べ。

Ⅰ  高松塚古墳の壁画に、唐や高句麗の影響を受けた服装を身につけた女性が描かれた。
Ⅱ  寝殿造の邸宅に住んだ貴族の女性は、裳を長くひく女房装束を着用した。
Ⅲ  唐風の服装を身につけた女性が描かれた鳥毛立女屛風が作られた。
問題文の画像
  • Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ
  • Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ
  • Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ
  • Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ
  • Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ
  • Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

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この過去問の解説 (1件)

01

最も古いものから並べると 「Ⅰ → Ⅲ → Ⅱ」 です。
 

まず壁画の高松塚古墳(飛鳥―奈良時代初め)、つぎに同じ奈良時代に制作された鳥毛立女屛風、最後に平安中期以降に定着した女房装束の順になります。

 

 

【各項目の年代】

Ⅰ 高松塚古墳の壁画

・古墳築造・壁画制作:7世紀末~8世紀初め(飛鳥時代末~奈良時代初頭)。

・唐・高句麗風の彩色人物が描かれる。

 

Ⅲ 鳥毛立女屛風

・奈良時代前半(8世紀前葉)の宮廷工房作と考えられる。

・女性像の衣装も唐風で、高松塚よりやや後の制作。

 

Ⅱ 女房装束(裳を引く装い)

・寝殿造とともに発達した平安中期(10世紀末~11世紀頃)の典型的な宮廷女性服。

・平安貴族社会の成立後に定着。

選択肢1. Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢2. Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ

正しい年代順の配列です。

選択肢3. Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢4. Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ

誤りです。

選択肢5. Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢6. Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

誤りです。

まとめ

飛鳥末~奈良初頭の高松塚壁画 → 奈良前半の鳥毛立女屛風 → 平安中期の女房装束という流れで、唐風から国風への変遷も読み取れます。

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