大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問25 (世界史B(第4問) 問7)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問25(世界史B(第4問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

C 大学のゼミで、第一次世界大戦と、この大戦がその後に与えた影響について、写真1・2を基に学生と教授が議論している。

教授:写真を見てください。1916年に撮影されたもので、ドイツ兵が写っています。何が分かりますか。
春日:塹壕にいるように見えます。第一次世界大戦中に塹壕が作られたきっかけは何だったのでしょうか。
スミス:1914年9月に始まったマルヌの戦いに関係していましたね。この戦いでドイツ軍が進軍を阻まれた後に、( イ )のです。
春日:それに、ドイツ兵は、マスクのようなものを装着しています。また、多くの銃弾を連射できる( ウ )を使っている様子も見て取れます。この兵器は、第一次世界大戦で多くの犠牲者を出す一因となったと聞いたことがあります。
スミス:大戦中の犠牲者数がとても多かった理由は、新兵器の開発とも関係していると学びました。
教授:二人ともどれもとても鋭い指摘ですね。では、次に写真2を見てください。大戦中のイギリスで女性が工場労働に従事しています。
スミス:大戦中だとすると、これらの女性は、軍需工場で武器を作っているのだと思います。
春日:つまり、前線から離れた銃後の人々も国力として動員されたことが分かります。
教授:そのとおりです。第一次世界大戦は、一般民衆も含めて社会全体を巻き込む戦争だったわけですね。その分、戦後になると、人々の間に平和を求める声も高まりました。
春日:だから、d両大戦間期には、平和構築を目指す国際的な試みもあったのですね。
教授:その意味で、大戦の影響は、様々な方面に及んでいたと言えるでしょう。

文章中の空欄イに入れる文として最も適当なものあ・いと、空欄ウに入れる語X・Yとの組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

(イ)に入れる文
あ  この戦争は早期終結に至り、塹壕が掘られた
い  この戦争は膠着状態となり、塹壕が掘られた

(ウ)に入れる語
X  機関銃
Y  マスケット銃

写真1
省略
写真2
  • あ ― X
  • あ ― Y
  • い ― X
  • い ― Y

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい組合せは「い―X」です。


第一次世界大戦はマルヌの戦いの後に前線が動かなくなり、塹壕戦が長期化しました。

また、連射できる機関銃の登場が犠牲者を急増させました。

 

【各選択肢の検討】

(イ):い 「この戦争は膠着状態となり、塹壕が掘られた」

1914年9月の第一次マルヌ会戦で独仏両軍は互いに突破できず、西部戦線は長い膠着に入ります。

そこで互いに前線を固定しようと塹壕を構築しました。

 

(ウ):X 機関銃

水冷式機関銃などが塹壕から連射され、兵士が突撃しても大量の損害が出るため戦線が動きませんでした。
→ 塹壕戦と機関銃は密接に結び付くため、この組合せは適切です。

 

 

塹壕は長期膠着を示すため、「早期終結に至り、塹壕が掘られた」は内容が矛盾します。

Yのマスケット銃は近世の旧式銃で、第一次世界大戦の主力兵器ではありません。

選択肢1. あ ― X

誤りです。

選択肢2. あ ― Y

誤りです。

選択肢3. い ― X

正しい組み合わせです。

選択肢4. い ― Y

誤りです。

まとめ

第一次世界大戦は膠着状態が塹壕戦を生み、機関銃が死傷者を激増させたことが特徴です。

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