大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問45 (日本史B(第3問) 問1)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問45(日本史B(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章Aは、日本史の授業で、中世の日本列島の様子について調べたアカネさんの班とイズミさんの班の活動内容である。この文章を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところがある。)

A
アカネさんの班では、中世の日本列島における中央権力と諸地域の関係について調べることにした。最初に、a鎌倉幕府の成立過程と支配地域の拡大する状況について整理した。次に、b建武の新政や室町幕府による地方支配のあり方についてまとめた。そして、c室町時代の地方在住の武士の結びつきについて、九州の事例を勉強した。

下線部aに関連して、アカネさんの班が整理した内容に関する次の史料Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

Ⅰ 二品(にほん)(注1)、奥州・羽州両国の省帳(しょうちょう)・田文(たぶみ)(注2)已下(いか)の文書を求めしめ給う。しかるに平泉館炎上の時、焼失すと云々(うんぬん)。
Ⅱ 諸国平均に守護地頭を補任(ぶにん)し、権門勢家の荘公(注3)を論ぜず、兵粮米〈反別五升〉を充て課すべきの由、今夜北条殿、藤中納言経房卿(とうちゅうなごんつねふさきょう)に謁(えつ)し申すと云々。
Ⅲ 東海・東山諸国の年貢、神社仏寺ならびに王臣家領の荘園、元のごとく領家に随(したが)うべきの由、宣旨を下さる。頼朝申し行う(注4)に依(よ)るなり。

(注1)二品:ここでは源頼朝のこと。
(注2)省帳・田文:土地台帳のこと。
(注3)荘公:荘園・公領のこと。
(注4)申し行う:申請すること。
  • Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ
  • Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ
  • Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ
  • Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ
  • Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ
  • Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

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この過去問の解説 (1件)

01

「Ⅲ―Ⅱ―Ⅰ」の順に並べると時代の流れが自然につながります。

 

【各史料の内容と年代】

Ⅲ(1183年)
内容:東海・東山の荘園年貢は「元のとおり領家に従う」ようにという宣旨です。
背景:平家追討のため後白河法皇が源頼朝を味方に引き入れ、寿永二年十月宣旨を発して東国支配を事実上許可しました。

 

Ⅱ(1185年)
内容:全国平均に守護・地頭を補任し、反別五升の兵糧米を徴収する旨を北条時政が朝廷に申し出た記事です。
背景:壇ノ浦の戦い直後、頼朝は守護・地頭の設置を公認させ、在地支配を全国へ広げました。

 

Ⅰ(1189年)
内容:頼朝が奥州・羽州の土地台帳を提出させようとしたが、平泉館炎上のとき焼失したという報告です。
背景:奥州藤原氏を滅ぼした奥州合戦(1189年)後、東北の土地調査を進める過程で出てきた記録です。

選択肢1. Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢2. Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ

誤りです。

選択肢3. Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢4. Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ

誤りです。

選択肢5. Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ

誤りです。

選択肢6. Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ

正しい配列です。

まとめ

鎌倉幕府の成立過程は、①東国支配権を朝廷から公認(1183年)→②全国へ守護・地頭を配置(1185年)→③奥州征服で版図を拡大(1189年)という順に進みました。

本問の三史料はその転換点を示しており、年代を意識することで鎌倉政権が段階的に権限を固めていった様子が分かります。

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